脳内科医が解説!その心のお悩み、実は「脳」のせいだった!?
脳を変えれば悩みは解決できる!?『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』
長引く新型コロナウィルスの影響などもあり、これまで以上に心の中に悩みを抱えているという人も、多いのではないでしょうか。今回は、そんな悩みをすべて脳のせいにしてしまおう!という本をご紹介します。8月24日に発売された『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』の著者で、IPPOにもたびたびご出演くださっている、脳内科医で株式会社「脳の学校」代表の加藤俊徳先生にお話をうかがいます。
牧野アナ:加藤先生の本が面白くて、一気に読んでしまいました。心の持ち方がラクになるというか、スッとしました。タイトルからして非常にキャッチーなんですが、「こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる」とは、どういう意味なんでしょうか?
加藤先生:もともとは私も悩みグセがあったんですが、もやもやして悩んでいることの原因が、自分の脳のせいだと気がつかない人が多いんですよね。ですので、脳の部分(脳番地)に原因があるとわかれば、すごくすっきりしてそれ以上悩まなくなるのではないかなと。脳を変えてしまえば悩みは解決できるので、その仕組みを多くの人に知っていただきたいです。
牧野アナ:思考のクセを変えれば人生をラクに歩んでいけますよ、ということですね! 実際に先生のクリニックにも心の悩みを相談されている人は多いですか?
加藤先生:そうですね。たいがい「会社でうまくいかない」とか「コミュニケーションがうまくいかなくて学校に行けない」「上司にいろいろ言われてどんどん自信をなくしていく」という人が多いです。
最近はコロナ禍で在宅の人が多くなり、いつのまにか脳の中の運動系脳番地を使わなくなっています。そして悩みが増えていることに気がつかず、いつのまにか、気分がすぐれない、頭がもやもやするなどの不定愁訴が現れて、普段悩まない人まで悩んでいます。
牧野アナ:本のなかでも、この部分を特に興味深く読んだのですが、運動するとそれだけで悩みが解決することもあるのでしょうか?
加藤先生:悩みというのは脳を変えれば抜け出せるんです。その中でも脳の運動系脳番地だけは、歩いたり散歩したり動くことで即座に変えられます。
牧野アナ:運動と脳はしっかりつながっているんですね!
加藤先生:実は脳は、運動系脳番地の前後部分、例えば額のところで考えて後頭部で情報を入れるという構造になっています。真ん中に運動系があるので、運動をしなくなると思考と情報がつながらなくなって、おのずと誰でも悩むようになるんですよ。
牧野アナ:だからそれを防ごうと、加藤先生も朝散歩を日課にされているのですね! 運動というのもひとつの手ですね。
パターン別、おすすめの対策
すぐ不安になってしまう人や自信を持てない人はどうしたらいい?
加藤先生:まず、すぐ不安になってしまう人は、起きていないことでも妄想してしまうんです。本当は自分が何に不安になっているか分かっていないことが多いので、まずは不安の根源をしっかり紙に書いて言語化する。情報も足りていないので、情報不足を解消してほしいです。牧野アナ:だんだん知らないうちに、不安ではなかったところまで悩みになっていってしまいますからね。
加藤先生:余計な不安を食い止めるためには、より明確な情報が必要になります。それが「脳が働く」ということなんです。
コミュニケーションが苦手な人は?
加藤先生:コミュニケーションが苦手な人は、自分の気持ちがはっきりしないことが多いです。脳の中には感情系というところがあって、他人の気持ちがわかる場所と自分の気持ちがわかる場所があります。特に自分の気持ちが確立していないと、どんどん自分のことが分からなくなって、何を話せばいいかも分からない。孤立してコミュニケーションがとれないことが多いです。まずは親しい友人に会ったり、自分の過去のプロフィールを作ったり、自分の基準を持つことが大切です。牧野アナ:今は人に会うことが難しいので、オンラインでもいいですか?
加藤先生:十分だと思います。電話でもいいです。あとはラジオでもいいと思います。
ぐずぐずしてしまう人は?
加藤先生:ぐずぐずしてしまう人は、そもそも自分の体が動かないんです。自分の脳にスイッチが入らないので、朝起きたら「今日はこれをやる!」と、やりたいことをひとつでも決めることが大事です。その次に体を動かす習慣をもつこと。散歩や筋トレでもいいので、1日10分でも20分でも体を動かす習慣をもつことが、ぐずぐずしなくなるために一番重要なことですね。自分に自信を持てない人は?
加藤先生:自信が持てない人は、次にどうなるかを頭の中でイメージ展開できないんですね。なので、明確にひとつひとつ刻んでいって、次はこうなる、その次は……と具体的なイメージを持つことで次の行動につながっていきます。言葉にして情報を整理する
牧野アナ:パターン別に聞いてきましたが、やはり言葉に書いたりして整理するというのもポイントなんですね。加藤先生:そうですね。脳の未熟な脳番地から悩みが生じるので、それに紐づけしてあげる。漠然とさせない。ということが大切なんです。
牧野アナ:自分ではわかっているつもりでも、実はわかっていないことが多くあるんだと。
加藤先生:そうですね。私も今日一体どういうことをやる予定なんだと、もともと予定を組んでいてもそれが朝しっかり明確になっていないと、知らないことで不安が募るんですよね。なので、わかっていることでも再確認すると脳がそのために働くようになります。
牧野アナ:先生は朝、何をやっているのですか?
加藤先生:起きたら予定表を見て、さらにそれを書きつけて、自分の脳みそに予定を教えるんですよ。そうすると、自分の脳みそから今日の予定についての不安が消えるんです。牧野アナ:そのルーティンいただきます! 最後にメッセージをお願いします!
加藤先生:自分の脳を変えれば悩みは吹き飛びます! 脳はいくつになっても成長するので、脳を鍛えてすっきり悩みを解消しましょう!
牧野アナ:さら詳しく知りたい方は、加藤先生の著書『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』をぜひ読んでみて下さい。
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免責事項
今回お話をうかがったのは……加藤俊徳 先生
脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。 株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。現在、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、子どもから超高齢者まで1万人以上を診断・治療を行う。「脳の学校」公式サイト
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