放課後、練習に向けた準備をする高校の野球部員。
<野球部員>
「ちょっと難しいですね」
Q. どう難しい?
「線めっちゃずれるんで。まっすぐ引けないんで難しいです」
今回のしずおか産はこんなお悩みを解決する救世主。ライン引きが素早く楽にできる自転車「グラウンドチーター」です。 手がけたのは、静岡県伊豆市にある自転車製造メーカー「オートクラフトIZU」です。4人乗りや手でこぐ自転車など「おもしろ自転車」を日本で唯一、製造しています。
<オートクラフトIZU 水口はるなさん>
「これがグラウンドチーターになります」
Q. これどうして作ろうと思ったんですか?
「兵庫の校長先生がこちらを持って弊社にいらっしゃって、こういったラインカーが載る自転車を作りたいと。ここにライン引きを取り付けて、上げて、紐で上げることで、自転車に着けられないかというのを川崎校長先生が自ら作って、弊社に持ってきてくださって」
グラウンドチーターを発明した兵庫県内にある学校の校長先生に制作のきっかけを聞きました。
<兵庫県立芦屋国際中等教育学校 川崎芳徳校長>
「教室なんかは冷暖房が入って、ICT化がどんどん進んでいる中、グラウンドの業務はまったく変わっていませんでした。それで何か業務改善が図れないかなと思ったのがきっかけでした」
体育教師として働いてきた川崎先生は、「自転車」を使えばもっと楽にライン引きができるのではないかと思い付きました。
<川崎校長>
「ほとんどの人が乗れる安全な乗り物で整備ができる事が望ましいのではないかと思っていました」
使い方は簡単です。ライン引きを工具不要のアタッチメントに乗せるだけ。レバーの上げ下げひとつで線が引ける仕組みになっています。
<従業員>
「やっぱり、ここの、ラインカーを止めるためアタッチメントを作るところが難しくて、これが高さによって、結構左右されるので難しかった」
現在、学校で主に使われているライン引きに合わせて、アタッチメントを7種類作りました。地面に触れすぎないよう、アタッチメントの設置位置の調整に苦労を重ね、「グランウンドチーター」が完成しました。
<野球部員>
Q. 乗り心地はどうですか?
「乗り心地はめちゃくちゃ良いです!こっちの方が楽ですね」
<体育教諭>
Q. 乗り心地はどう?
「(乗りながら)思ったより、スムーズにいけて、まっすぐ引くこともできてると思います。トラック引いたりとか、サッカーのコートを引いたりする時はかなり時間がかかる作業で、複数人の教員でポイント立っていたりするので、一人で引けると仕事は楽になるのかな」
「グラウンドチーター」は、自転車のハンドルを固定することできれいな曲線を引くこともできます。さらに、後ろにブラシを取り付ければ、グラウンドをならす自転車にもなります。
<オートクラフトIZU 水口はるなさん>
「年々、暑さが厳しくなってきて、グラウンドで作業するのが大変になっているので、楽に早くラインが引けて、先生や生徒の業務負担も減りますし、自転車なので、楽しく乗っていただけるのでは」
後ろには大きなかごがついていて、AEDや救命セット、追加するラインカーの粉を入れておくことも可能。学校の先生の視点が加わることにより、より実用的な自転車になっています。
体育教員は、授業間の10分の休み時間で、線を消して引く作業をすることもあるということで、負担減にも期待できるのではないでしょうか。
サッカーコートや陸上のトラックなど長い距離を引く際には、より便利になりそうです。2月から販売を始め、問い合わせは沖縄県からもきています。