船のエンジンなどの部品を加工している工場です。女性も活躍する中、ある悩みがあります。
<女性社員>
「油を使う場面がすごく多いので、そのニオイが服につくのがすごく気になります」
<女性社員>
「機械に使う液体とかあるんですけど、加工の時のニオイだったりとか、やっぱりそういったものが染みついているのが気になります」
今回のしずおか産はニオイの悩みを解決するミストのシャワーです。数秒間、「消臭・除菌ミスト」を浴びることで気になるニオイを消す「HAL・SHOWER」です。
静岡市にある消臭剤メーカー「ハル・インダストリ」です。ビーズタイプの消臭剤などの製造、販売までを手がけています。「HAL・SHOWER」の開発のきっかけは地元の水産加工工場からの相談でした。
<ハル・インダストリ 松浦令一代表>
「(従業員を)魚で募集すると、2、3人しか来てくれない。これ、なんでだろうって考えたら、当たり前ですけど、働いてくださる女性の皆さんが、衣服にニオイがつくのはもとより、けっこう体にも染み付くと」
そこで、松浦さんは植物が放つ消臭作用のある物質に着目。10種類以上の樹木から抽出したエキスを調合し、独自の技術で100%植物由来の消臭成分を開発しました。ハル・インダストリでは国家資格「臭気判定士」をもつ社員が、ニオイを確認する試験を行なっています。
<ハル・インダストリ 臭気判定士 望月幸之介さん>
「製品開発の段階で、今、試作したものはどのぐらい効果があるとか、そういうものを測る時に使用しています」
現在、「HAL・SHOWER」は静岡県内の工場や商業施設などに導入されています。
<女性社員>
「家にニオイを持ち込むことがなくなった」
<女性社員>
「車に(ニオイを)持っていきたくないっていうのがすごく私はあったので、こちらで落としてから車に乗ることができるので、それがいいなと思う」
<女性社員>
「仕事終わった後に出掛けるとかをやめていたんですけど、HAL・SHOWERのおかげで、仕事が終わった後でもお出掛けできるようになりました」
<ヤマハ発動機磐田第3製造部生産4課第2工区 鈴木伸弥工長>
「女性だけではなくて男性の社員からも、家族から『ニオイが無くなったね』とか、そういった意味で家族を含めて働きやすい職場を目指しているので、導入して良かった」
<坪内明美記者>
「ミストが出てきました!」
<ハル・インダストリ 社長室 中村永遠子室長>
「くるくる回っていただいて、まんべんなく浴びてください」
ニオイは本人は慣れてしまっても、他の人にとっては不快に感じてしまうことがあります。松浦さんは、工場や商業施設などのニオイはもちろん介護など生活に密接なニオイの悩みの解消も目指していく考えです。
<ハル・インダストリ 松浦令一代表>
「ニオイというのはある種の壁を作る可能性があるので、壁を低くすることなどに役立ちたい。装置などをもっともっと開発して、もっともっと知ってもらいたい」
「HAL・SHOWER」は静岡県内だけではなく、首都圏のタワービルなどにも導入されている。現時点で、全国の導入実績は62基。喫煙ルームの近くに設置することで、タバコ臭のクレームが減ったそうです。
記者の取材実感としては「ニオイを別の香りで隠すわけではなく、無臭化するというのがハル・インダストの製品の魅力。安心安全で無臭というのは、汎用性が高く、今後の展開したい」です。
消臭剤の身近な導入先では、タクシー、ホテル、フィットネスジムなど。ナゴヤドームで開催された犬・猫1万匹以上が参加するペットイベントの消臭を担当。巨大な空間の消臭も可能です。
【問合せ先】
株式会社ハル・インダストリ
住所:静岡市駿河区西脇296-1
電話:054(284)7081