男性の悩みを男性が聞く、自分らしく生きるための相談窓口
『男』悩みのホットライン 06-6945-0252(第1・第2・第3月曜日の夜7時〜9時)
1995年に相談窓口を開設
牧野:日本男性相談フォーラムは、どういった組織なのか教えてください。福島:男性が抱える悩みごとを気軽に相談できる場所を提供し、男性がより自分らしく生きることができる社会を創ることを目指して、大阪を拠点に10人ほどで活動しています。『男』悩みのホットライン という電話の専用窓口を運営していて、全国から相談できます。1995年に開設されて以来、ボランティアで運営してきて、もっと社会貢献をできればということで2019年に法人化しました。
牧野:日本男性相談フォーラムには、どんな悩みが寄せられていますか。
福島:自身の性のあり方(セクシャリティ)に関する相談が多いです。他の場所ではなかなか話しづらい自身の身体の特徴や、「男性が好きなんだけど」など好きになる相手について、「女性のようにお化粧してみたい」「スカートを履いてみたい」など、気持ちに合った装いをしたいという相談もあります。また「男らしくありたいんだ」とか、「結婚したいけど、自分は稼ぎが良くないから告白してもよいのだろうか」とか、社会的な性役割(ジェンダー)の相談も多くあります。
牧野:相談は増えていますか?
福島:そうですね。私たちが電話相談を受け付けている第1・第2・第3月曜日の夜7時〜9時は、ずっと電話がつながっています。
牧野:コロナ禍で相談相手がいなくて困ったという方も多いんじゃないでしょうか。
福島:ここ2〜3年、誰かと話をしたいという相談が増えている印象はあります。
やりたいこと・望んでいることを大切に
牧野:悩みを抱え込んでいる男性は、どういうタイプの方が多いですか。福島:「強くあるべき」とか「頼りがいがある」ということを大事にされてきた方ですね。相談するということが難しいのかなと感じます。生活の中では強さを保ちつつ、それでも疲れてしまった時、「男だってしんどいよ」と誰かに言いたくなった時に相談しているのかなと思います。
牧野:相談員はどんな方ですか。
福島:昼間はそれぞれ自分の仕事をしています。私はスクールカウンセラーですが、サラリーマン、福祉施設で働いている人もいますし、作家さんやデザイナーさんもいます。臨床心理士やカウンセラーの資格を持っている人だけでなく、「自分自身が男性という性役割(ジェンダー)で困っている1人の人間」という感覚を大事にしている人たちが集まっています。
牧野:相談を受ける際に福島さんが心がけていることはありますか?
福島:困っている人自身のやりたいこと・望んでいることをうかがうのが大事かなと思っています。「男だから頑張らなくてはいけない」といった社会に決められた価値観ではなく、その人がやりたいことはどんなことなのか、パートナーとどんな関係でいたいのかなど、なりたい自分やありたい自分を大切にしていただきたいです。
牧野:相談窓口の連絡先を教えてください。
福島:一般社団法人日本男性相談フォーラムが運営する『男』悩みのホットラインでは、第1・第2・第3月曜日の夜7時〜9時、06-6945-0252(大阪)で男性からの相談を受け付けています。男性が安心して相談できる場所がもっと増えてほしいですし、そういう場所のひとつでありたいなと思っています。もしご心配なことがあれば、1人で悩まず相談してもらえたらうれしいです。
牧野:福島さんありがとうございました。
今回、お話をうかがったのは……福島充人さん
一般社団法人日本男性相談フォーラム代表理事、チームパパカフェ、臨床心理士・公認心理師。
男性相談をはじめ、男性が自身の子育てについて気持ちを語る「パパカフェ」に携わる。結婚目前の30歳、白血病で職を失ったことをきっかけに男性としての生きづらさに気づき「自分らしく生きたい」と強く願うように。
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