ジュビロ磐田、終了間際の失点で仙台に惜敗。ハッチンソン監督「受け入れ難い敗戦」川島永嗣と新戦力・ヤンファンデンベルフもコメント


ジュビロ磐田は6月28日、ホームのヤマハスタジアムでベガルタ仙台と対戦し、0-1と惜敗しました。後半は10本と、前後半で相手の2倍となる12本を放ったものの、試合終了間際にセットプレーの流れから失点。4月29日のレノファ山口FC戦以来、9試合ぶりの敗戦となりました。ただ、新戦力のDFヤンファンデンベルフ選手が後半26分から出場し、鋭いパスを前線に送るなど、実力の片りんを見せました。

ジョン・ハッチンソン監督


-試合の総括を。

非常にタフな試合となりました。相手の守備も非常にソリッドで崩すのが難しかったんですけど、後半に向けてのいい土台が前半はできていたと思っています。十分チャンスも作っていたので勝利に値するパフォーマンスだったと思います。特に後半は完璧に試合をコントロールして進めました。だからこそこの敗戦を受け入れるのはすごく難しいです。

個人的にはVARなしのサッカーの方が好きなんですけど、VARによって感情が減って爆発させられないような規制もあるんですけど、それがこっちに転ぶこともあれば、相手に転ぶこともあって、今日は相手に転んだように思っています。

両チームとも勝利に飢えて、非常に良い試合でした。相手もしっかり耐えて、最後に1点を狙っていたと思いますし、それが相手の思う通りに行ってしまったんですけど、あの点はおそらくオフサイド、間違いなくファウル、そして間違いなくハンドだと思います。だからこそすごく受け入れ難い敗戦ですが、その中でも本当に選手はよくやってくれたなと思います。

審判もあのような感情がすごく入り乱れる中で、それ以外のところではよくコントロールしてやってくださったと思っています。

ただ選手も勝つためにやることを全てやったけど、最後は決めきるところが足りなかった。

-ファンデンベルフ選手について。
試合中に巧朗(江崎選手)が膝に多分痛みを抱えていたのかなと。タフな子なので、痛いとは言わないんですけど。ちょっと足を引きずっていて、ちょっとプッシュできていなかったようにも見えたので、ヤンを入れようかと。
パフォーマンスに関しては期待通りというか、本当にいい選手だなと思いました。加入したばかりなので、チームがやろうとしていることであったり、また選手個々人の動きに慣れるというところなどいろいろあるんですが、今日のパフォーマンスを見て、皆さんも分かる通り、必ずチームに大きなインパクトを与えてくれるだろうなと思います。

-仙台にジョルディクルークス選手の対策をされていた印象だが。
相手は非常によく守ってきたなと思っています。特にミドルブロック、ローブロックを崩すのは本当に難しいんですが、ただ後半を見ればちゃんと崩せていたと思います。裏を取れたり、ペナの中に入っていったり。ただやっぱり決め切るところでミスが出ましたけど。やろうとしてることとしては、もちろん前半で決めればいいんですけど、後半に向けて前半は土台作りと考えています。後半を見ても分かる通り、相手が疲れてきた中で、ウチは走れていたしアグレッシブにいけていました。セットプレー以外、やられることはないだろうなと思っていました。

サイドだけではなくて、中を見ると凌我(佐藤選手)とりょう(渡辺選手)、ペイショットや昂志郎(角選手)は中央からでも崩していける選手なので、この6~8週間ぐらいはそういうところも取り組んできました。いろいろな方法で攻撃ができるようにしようと。

ここ何週間か見ると、まず相手はウチを止めようというような試合のアプローチを取ってきていると思います。なので我々ができることはひたすらチームをプッシュし続けること、そしてより相手にいろいろな形でチャンスを作って危険なチームになっていきたいと思っています。

例えば先週の千葉であれば、これまでとは違う守備の仕方をとって少し後ろに落ちたり、またセンターに関してもちょっとプレスに出てきましたけど、後ろで落ちることもあったので、もっともっと僕たちも良くならなければいけないと思います。特にボックス内のところを決め切るところなんですけど、前半の土台から後半に向けてチャンスを増やして、ただ決めきれないというところなので、決めきれずタフな判定で…。サッカーで起こりうることではあるんですが、そこはきつかったと思います。

ただこのフットボールをもっともっと成長させ続けていく、より強くなっていくことです。ここから移籍市場に出ていって選手も増えてきます。選手たちがしっかりと自信を持って、自分の能力を発揮できるようになるのが大事です。もっともっとできる、選手たちはもっとできます。選手たちが自分たちを信じることができればジュビロはもっともっと上にいけると信じています。

ヤンファンデンベルフ選手


-デビュー戦で存在感を示しました。

自分自身も(オランダの)最後の試合から少し期間が空いて、長い期間プレーしていませんでした。日本に来てからチーム練習自体は3日ぐらいしかしていないんですけど、その中でも監督が自分のことを信用してくれて、チームのスカッドに入れてくれた。試合自体は自分たちもゴールができたんじゃないかなと思います。

本当にすごい応援があって、力強い声がホームを感じて、すごくいいデビュー戦になりました。ただすごく悪い形で試合を終えてしまったのでファンに申し訳ないですし、自分のコンディションがもっと上がってチームにもっと貢献できるようになればと思っています。

-江崎巧朗選手の負傷で急きょ出場となったようだが。
自分も30歳で経験があるので、どういう状況でも自分が出たらプレーできるようには準備していて、試合の最初から最後まで同じ気持ちでずっと準備しているので。たまたまああいう形で出場機会が巡ってきましたが、基本的にはもう自分は準備ができていたので問題なかったです。

-キーパーにセーブされたがヘディングシュートを放ち、縦パスも通すなど、攻撃面でも存在感を示しました。
自分自身もパフォーマンスはある程度満足している部分もあります。ただ自分が100%の状態ではないというのは正直あるので、まだまだ自分はもっともっといいプレーができると思っていますし、あの状況でゴールできればよかったです。本当に素晴らしいセーブだったと思います。

-今後に向けての意気込みを。
ベルギーやオランダで何年もやってきたものをここで出せるように、毎日のトレーニングと毎試合、100%出し切って、必ずチームが望んでいること、自分に求めていることをきちっと形にできるように、期待に応えられるように準備して、もっといいパフォーマンスができるようにしたいです。

-セットプレーで上がっていくときにチームメートとどんな会話をしていたか。
元々ジョルディ(クルークス選手)とは、このクラブに来る前からコンタクトを取って、ジュビロはどういうチームなのかとか、日本はどういうところなのかというのを聞いていました。ここに来たときからもいろいろ助けてもらっていて。ただ今の質問に関しては、それに答えるのはなかなか難しいし賢くないんじゃないかと。次の試合で同じことができないので、それはちょっと考慮してください。

-ヤマハスタジアムの雰囲気は。
日本に来る前から映像をたくさん見ていましたが、実際の声量や雰囲気というのは分からなかったです。先週千葉のアウェーの試合に見に行ったときに、アウェーにも関わらず力強い応援を90分間続けてチームを後押していたことにすごく感銘を受けて、印象深いサポートだと思いました。ホームに帰ったらもっとすごい声量で自分たちを後押ししてくれて、自分の中でもこんなに印象に残る試合はないと思います。ファンの力強い応援を素晴らしいと思いました。

川島永嗣選手


-ハッチンソン監督は受け入れがたい敗戦と言っていた。

審判のジャッジはサッカーの一部ですし、常にリスペクトして試合に臨んでいます。ただ僕たちは昇格という思いを1試合1試合、1分1分に込めてプレーしています。そういうところで理解できない判定基準というのは、正直受け入れがたいですけど、自分たちが引きずってもしょうがないですし。結果的にチャンスを作りながら点を決められないところもありましたが、自分たちがやっていることは確実にクオリティーを高められてきてるので、それをまた次の試合に向けてやっていきたいなと思います。

-後半は完璧な内容でした。
ワンパターンじゃなくて、自分たちは相手の出方を見ながらプレーできるようになってきています。ただ単純なプレーだけじゃなく、いろいろな形を作れてきていると思うので、それをより多くしていきたいですし、その中で最後の質を高めていきたいです。

-タイトな守備に対してライン間につくパスを出せるようになった。
うまく相手の出方を見ながら自分たちのポジショニングを変えたりとか、そういうのができてきているので、まだまだ自分たちは相手にとって脅威的なプレーはできると思うし、今のチームのクオリティーだったらそれを高めていけると思うので、今の状況に満足せず自分たちは続けてやっていきたいなと思います。

-ヤンファンデンベルフ選手の印象は。
コンディション的に言ったらまだプレシーズンのところだと思いますが、練習の中でも感触は良さそうですし、守備もそうですし、ボール(を扱う)クオリティーもかなりいいものを持っているので、フィットしていけば大きな力になってくるんじゃないかと思います。
シズサカ シズサカ

静岡新聞社編集局運動部がサッカーや野球、バスケットボール、ラグビー、バレーボールなど、さまざまなスポーツの話題をお届けします。紙面では紹介しきれない選手たちの表情や、ちょっとしたこぼれ話をお楽しみに。最新情報は運動部の公式X(旧Twitter)でチェックを!

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