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SNSの詐欺、誹謗中傷… 専門家に聞く「トラブルに巻き込まれたら」

SNSでのトラブルの事例や防ぐ方法、もし巻き込まれてしまった時の対応などについて、SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門のITジャーナリスト、成蹊大学客員教授の高橋暁子さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※11月14日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

SNSで見たものや知り合った人を安易に信用しない

高橋:SNSを使った詐欺は、SNSの広告経由やSNSで知り合った人からの被害が多いです。なりすましやフィッシング詐欺、チケット詐欺、投資詐欺、副業詐欺など多種多様です。お金を騙し取られるような詐欺が多いですね。

牧野:こういった詐欺に巻き込まれないためには、どういう心がけが必要ですか?

高橋:SNSで見た投稿内容や知り合った人を安易に信用しないことが大切です。ネット検索して評判を調べる、そのような詐欺が流行っていないのか知っておく、また冷静な判断ができ信頼できる人に「このようなものは大丈夫か」と相談することが大切です。URLが送られてきても安易にクリックしない、ファイルを開かない、お金の話が出てきたら気を付けるというのもポイントになるかと思います。

牧野:お金の話が出てきたら詐欺だと考えてもいいぐらい、慎重なほうがいいですね。

高橋:「当たりましたー!」なんて言われて個人情報を入力させる詐欺もありますので、「儲かる」とか「もらえる」という言葉に気を付けた方がいいと思います。

発信者特定、より早く

牧野:誹謗中傷もなくならないですね。どういうものが多いですか?

高橋:匿名の場合、攻撃性が高まるということがわかっています。何か問題を起こしてしまった時に、匿名ユーザーからの誹謗中傷が殺到して、炎上状態になることが多いです。誤った正義感で誹謗中傷する人も多いです。誹謗中傷は簡単にできてしまいますよね。被害者側が、誰の投稿なのか開示請求するとき、時間もお金もかかりすぎてしまって泣き寝入りすることが多く、問題になっていました。

牧野:今、法整備が進んでいるところですよね。

高橋:ネット上の誹謗中傷は名誉毀損罪や侮辱罪にあたることが多いです。侮辱罪は「拘留または科料(1万円未満)」のみでしたが、誹謗中傷が元で亡くなる方もいるということで厳罰化され、「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と、非常に重くなりました。以前は公訴時効が1年で、情報開示が間に合わないことがあったんですが、3年に延長され特定しやすくなりました。

また、改正プロバイダー責任制限法が施行され、スピーディーに発信者情報の開示請求ができるようになりました。これまで2回必要だった手続きが1回で済むなど、より簡単に相手のことがわかるようになり、それが誹謗中傷の抑制につながるのではないかと期待されています。

トラブルに巻き込まれたら

牧野:SNSのトラブルに巻き込まれた人は、どう対応したらいいでしょうか。

高橋:まず、画面のキャプチャやURLなどを残しておくことが大切です。そして、誹謗中傷された場合は、法務省のサイトにある「インターネット上の誹謗中傷に関する相談窓口のご案内」から、自分の目的別に調べて相談することをおすすめします。お金を取られてしまうとか取られてしまったなどの消費者トラブルの場合は、「消費者ホットライン」(電話番号:188)まで相談されるといいと思います。

子どものSNSトラブル

牧野:お子さんがSNSでトラブルに巻き込まれないか、親御さんは心配だと思います。何かアドバイスはありますか。

高橋:多くのSNSは13歳以上が対象となっています。それ以下の年齢でも使っていけないわけではありませんが、見守りが必要です。お子さんとの約束を決める、利用状況や誰とやり取りしているかなどをしっかり把握した上で利用するといいと思います。

何をしても、どうしてもトラブルはつきものです。お子さんに「何かあった時は必ず味方するから、困ったことや心配ごとがあったら絶対に相談してね」などと伝えておくことが大切かと思います。また、サービスごとのリスクや対策を調べましょう。知らない人とやり取りできない設定にしたり、投稿の公開範囲を制限したりなど、あらかじめ子どもと話し合って設定しておくと安心です。

心がけておくといいポイントとは

牧野:SNSを使う時に心がけておくといいポイントについてお願いします。

高橋:個人情報を出しすぎない、公開範囲に気をつける、不特定多数の人が見る場なので誰かが不愉快に思うようなことは投稿しない、そして先ほどもお伝えした、サービスごとのリスクや対策を調べることなどが大切です。困ったら運営側に報告すれば、相談に乗ってくれたり対応できたりもしますので、うまく活用していけばいいかと思います。

牧野:非常によくわかりました。どうもありがとうございました。
今回、お話をうかがったのは……高橋 暁子さん
ITジャーナリスト/成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホ やインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など、著作は20冊以上。教育出版中学校国語の教科書にコラム掲載中。

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