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様々な投資勧誘トラブルが増加している!?

うまい話には飛びつかない!

先月、TKOの木本武宏さんが総額7億円余りにものぼる投資トラブルを抱えて、所属事務所を退所しました。これは、正式に登録していない投資家の男性に出資をし、さらに知人にもその男性を紹介していたそうで、大きなトラブルに発展しています。これは、人ごとではないかもしれません。今、さまざまな投資勧誘トラブルが増えているということなんです。詳しいことを国民生活センター・相談情報部の山之内優花さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※8月4日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:実際に、投資勧誘トラブルは増えているのでしょうか?

山之内:はい。暗号資産とFXのトラブルが目立っています。特に、若者から中高年の方を中心とした年代からのご相談が多い傾向にあります。全国の消費生活センター等に寄せられた相談件数は、2021年度では暗号資産の相談件数は6350件、FXの相談件数は3022件となっています。

牧野:暗号資産やFXというと、簡単に儲かりそうな印象を持って引っかかってしまう人も多いのでしょうか?

山之内:とても相談が多いです。FXのトラブルですと、一見すると利益が出るように見えるのだけど利益を出金できない、投資したお金が返金されないようなトラブルが多く、詐欺的なトラブルに巻きこまれる危険性があります。

牧野:最近は、若者に対する投資勧誘トラブルも増えているということなんですが。

山之内:暗号資産やFXの相談では、SNSやマッチングアプリで知り合った人から勧誘されてトラブルに遭うケースが多く寄せられています。また、友人・知人に勧誘されるケースもみられます。

牧野:友人だと断りにくいし相手を信頼しているからと、安易に手を出してしまうこともあるのでしょうか?

山之内:そうですね。

若者からの相談が多いトラブルとは

牧野:最初は軽い気持ちだったのに、だんだん深みにはまっていくこともありそうですね。若者から、特に多い相談はどういったものですか?

山之内:若者からの相談が多いトラブルとして、副業などのお金儲け系や、脱毛エステ・美容医療などの美容関連が目立ちます。

牧野:脱毛エステは、男性も含めてですか?

山之内:女性が多いイメージなんですが、男性でも髭の脱毛などでトラブルになっている事例も多く寄せられています。

契約する際に守ってほしいこと

牧野:契約をする際に気をつけたいことや守りたいことはありますか?

山之内:どんな契約をする時にも、守ってもらいたことが4つあります。

1.軽い気持ちで契約をしない
2.簡単に稼げるなどのうまい話に飛びつかない
3.ネットの情報に流されない
4.契約を急がせる人は相手にしない

牧野:「今日中に契約していただかないと、お得にならないんです!」というのは、だいたい怪しいですよね(笑)。

山之内:そうですね。判断を急かすような人は怪しいと思います。

牧野:あと、ネットを見ていても、「スマホ1台あれば1日10分で稼げますよ、副業いかがですか?」みたいなものも多いように感じますが?

山之内:ネットの儲け話系は、簡単に儲かりますよというのが多いのですが、基本的に怪しいものが多いと思うので鵜呑みにしないようにしていただきたいです。

成人年齢引き下げの影響は?

牧野:成人年齢が18歳に引き下げられたのも、何か影響していますか?

山之内:2022年4月に成人年齢が引き下げられたことにより、18、19歳の方が「未成年者取り消し」を使えなくなりました。「未成年者取り消し」は、両親などの同意がなく結んだ契約を取り消せるというもので、経験不足の未成年者を守る強力なルールになっています。18、19歳の相談は今のところ増えていませんが、契約の際はこれまで以上に慎重になる必要があります。

牧野:18、19歳は狙われやすい年齢であると言えますね。ちなみに、17歳以下は「未成年者取り消し」は使えますよね?

山之内:今でも使えます。

牧野:最近、私が実際に経験したことですが、不動産投資の勧誘の電話がよくかかってくるようになったんです。「どうしてこの電話番号を知っているんですか?」と相手に直接聞いたら、名簿会社から本を買って載っていたと言われたのですが......。

山之内:はっきりとどこから出回っているのかわからず気持ち悪い感じがあると思います。情報というのはどこからでも流出する可能性があるので、勧誘されたとしてもきっぱりと断って応じないことが必要です。

困った時の相談先は?

牧野:仮に契約してしまったとして、あとからクーリングオフで取り消すことはできないのでしょうか?

山之内:勧誘のされ方などにもよるので、一概にどの相談でもクーリングオフができますよとは申し上げられません。ぜひ消費生活センターにご相談いただければと思います。

牧野:もし契約してしまい、あとからどうしようとなった場合もその段階で相談するのでもいいですか?

山之内:ぜひ、困ったことがあれば相談していただければと思います。

牧野:判断に迷ったときは、その場で契約するのは絶対に避けた方がいいですよね?

山之内:契約してしまってからも、クーリングオフなどで契約を取り消せる場合もありますが、まずは契約しないことが一番の防衛策になります。不必要な契約はしないと心に留めていただきたいと思います。

牧野:相談はどこにすればいいですか?

山之内:不安なことがあったりトラブルにあったりした場合は、すぐに消費生活センターにご相談ください。「消費者ホットライン=局番なしの『188』」に電話いただくと、最寄りの消費生活センターを案内します。

牧野:実は、車の契約でトラブルになったことがあったのですが、消費者ホットラインを頼って救ってもらったことがあります。丁寧に対応してもらい、相手とのやり取りの間にも途中から入ってくださって助かった記憶があります。みなさんも、困ったときは消費生活センターに頼ってみてください!

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