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150万円も!? 増える子どものゲーム課金トラブル!未然に防ぐには?

増加している子どものゲーム課金

昔はゲームソフトさえ購入すれば、そのゲームにそれ以上お金がかかることは基本的になかったと思うのですが、今はオンラインで繋がっているので、課金で知らないうちに何万円も請求がきていた……なんていうトラブルが問題になっています。そんなトラブルを防ぐためにどうしたらいいのか、ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※1月11日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:これまで他人事だと思っていましたが、ゲームの課金問題は昨今、どのくらい増えているのでしょうか?

高橋:国民生活センターに寄せられた相談件数で見ますと、2019年度は2,500件余りだったんですが、2020年度は3,700件余りと、1年で1.5倍に増加しているんです。小中高校生のゲーム課金問題ですね。

牧野:引っかかるのは小学生くらいが多いですか?

高橋:小学生が特に増えていますね。小学生でもタブレットで150万円も課金してしまった子もいたり、高額化の傾向でかなり怖いなと思います。

牧野:子どもたちがネットを利用して課金されてしまう。具体的にはどのようなことで課金されるのでしょうか?

高橋:特に多いのは、やはりオンラインゲームの課金です。アイテムを購入してしまう課金問題が特に多いです。最近ちょっと増えているのが、YouTubeのスーパーチャットみたいな、配信者に対して課金アイテムを投げて、それが配信者の収入になる投げ銭というものがあります。その投げ銭が高額になってしまうトラブルも増えています。

牧野:「今しかない!」「期間限定」などの言葉に踊らされることもありますか?

高橋:ありますね。「今だけお得」とか「あとちょっとで勝てる」「ランクの上にいける」となると、課金したくなる子どもは多いようですね。

なぜ課金されてしまうのか?

牧野:とはいえ、親のクレジットカードを子どもが持っているわけではないのに、どうして課金されてしまうのでしょうか?

高橋:子どもが勝手にカードの番号やパスワードを入力するケースもありますが、例えば親がゲームで1回だけ課金してあげた後ログアウトをしないと、次回もそのまま購入できてしまうんです。ほかにパスワードの入力を必要ない設定にしていたり、キャリア決済で勝手に課金しているケースもあります。

牧野:改めて設定がどうなっているのか確認するのと、親が何か課金や使ったあとは必ずログアウトしておくことも必要になってきますね。これは、ゲーム機とスマホのどちらの方が多いのでしょうか?

高橋:ゲーム機でもスマホでも起きています。例えば設定を変えないままに親が使わなくなったスマホを子どもが使い、勝手に課金していたというケースもありますし、最初から子ども用に与えているスマホで課金しているケースもあります。

牧野:親がもともと使っていたスマホはどうして危険なのでしょう?

高橋:家のWi-Fi経由でネットに接続できるよう設定していると思いますので、購入できる設定のままだと、そのまま購入できてしまうことがあります。

課金を防ぐ方法

牧野:こういったことを防ぐ方法としては、どういうことを心がければいいでしょうか?

高橋:やはりクレジットカードをしっかり管理して、毎月利用明細書を確認し不明なものはないかチェックする。アップストアなどからの領収メールも必ず確認する。パスワードを子どもが推測できないものにすることも重要です。また、子どものスマホの場合は、ペアレンタルコントロール機能があるので、課金ができない設定にすることもできます。

牧野:ペアレンタルコントロール機能は、スマホのなかにあるのですか?

高橋:iPhoneなどの端末ですとスクリーンタイム機能、アンドロイドの場合はファミリーリンク機能などで設定することができます。ぜひ、お子さんが利用できる端末などで設定してください。ゲーム機でも課金できないように設定することができます。

もしも高額請求が来てしまったら

牧野:対策をしていても何十万という請求が来てしまった場合、どうしたらいいでしょうか?

高橋:未成年者契約の場合、取り消しできる可能性もあるので、188(消費者ホットライン)に電話をして相談するのがおすすめです。ただ、2022年4月から18歳で成年になってしまうので、これからは18歳以上ですとこの方法が使えなくなります。また、必ずどんな場合でも取り消ししてくれるわけではなく、例えば年齢を偽っていたり、保護者の許諾を得ていますと嘘をついた場合、クレジットカードを使用した場合は、取り消しにならないこともあるので、まずは課金されない設定をすることが大切です。

トラブルが起こるまえに

牧野:「ネットリテラシーをちゃんと子どもたちにも教えていきましょう」とは近年よく言われることですが、子どもに伝える上でのアドバイスをお願いします。

高橋:保護者の方は、子どもが利用できる端末でどういう風にしたら課金ができるのか、どんなトラブル起きているのか、自分でできる対策を調べて、必ず事前に対策しておくことがおすすめです。また、子どもと課金について話し合っておき、「どうしても課金したいときは相談してね」と約束を取り決めをしておくと安心かなと思います。

牧野:しっかり話し合っておくことが大事ですね。ありがとうございました。
今回お話をうかがったのは……高橋暁子さん
ITジャーナリスト/成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホ やインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などメディア出 演多数。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など、著作は20冊以上。教育出版中学校国語の教科書にコラム掲載中。

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