【大人も気をつけたいSNS投稿】「鍵アカに載せたのに拡散された」「うっかり誤爆」SNSでのしくじりを防ぐには?

新年度に入り、新社会人によるSNSの投稿が問題となるケースが出てきています。新社会人に限らず、どの世代でもSNSの投稿によるトラブルには気をつけたいもの。SNSの投稿について、国際大学グローバルコミュニケーションセンター客員研究員で、情報リテラシーの専門家の小木曽健さんにお話を伺いました。聞き手はSBSアナウンサー青木隆太。

新社会人だけの問題ではない

青木:新年度に入り、新入社員が社外秘の情報が映っている資料をSNSにアップして問題になるということが何件か起きています。なぜ、こういったものをSNSにアップしてしまうんでしょうか?

小木曽:これは、「最近の若者は」とかいう話ではなく、そういう人ってどの世代にもいて、ネットやSNSはそういう人たちを見えやすくする特性があるっていう話なんですよね。

もし若者だけの問題だったら、同じ日にもっとたくさん同じことが起きているはずなので、年代問わず「ああいう人はいるんだよね」っていう話だと思っています。

青木:こうした場合、投稿する際は、いわゆる「鍵アカ」に投稿するなど、仲がいい人にしか見られないような投稿をしていると思うんです。それでも拡散されてしまうのはどうしてですか?

小木曽:わざわざ友達限定で投稿するものって、人に見せたいものですよね。それを受け取った人がどう思うかといえば、やっぱり誰かに見せたくなっちゃう。でも、友達限定だから拡散できない。「じゃあ、コピーして保存して、制限のない状態にして誰かに見せよう」ということが繰り返され、拡散していくんですね。

青木:これって、自分としては「この人にしか言ってないのに」っていうような情報が出ちゃうわけですよね。信頼関係は崩れないんでしょうか?

小木曽:崩れるかもしれませんが、そもそも信頼関係が存在していないかもしれません。

青木:なるほど。学生と社会人では、SNSがきっかけとなるトラブルの原因は異なるんですか。

小木曽:法律と基本的なモラルを守らないといけないのが学生で、それに加えて就業規則を守り、組織人としての振る舞いを求められるのが社会人です。「社外秘の情報は載せない」というのは、モラルじゃなくてリテラシーなので、そこの違いも大きいと思いますね。

青木:SNSのアカウントは匿名のものも多いですが、匿名の人と実際にいる会社員が紐づきやすく、正体がばれやすくなっているのかななんて思ったりもするんですが。

小木曽:もし、世の中にばれなかったとしても、現場の方はわかりますよね。それで、怒られますよね。本質的には一緒で、やはり「この人は誰ですよ」って知っている人がいるわけですよ。で、ネットの場合も、やはり知っている人がいて、「この人は誰です」と名指しでバラしてしまう。自分を知っている人間が、必ずしも自分の見方とは限らない。それだけの話だと思います。

懇親会で喋って失敗する人は、ネットでも失敗する?

青木:IPPOでも以前、お子さんのSNSやスマホの使い方というテーマを取り上げたことがありますが、大人は「自分の投稿は大丈夫」と思っている人も多いと思います。今回は、社会人がSNSに投稿するときに気を付けるべきことを教えてください。まず、最低限守らないといけないものは何ですか。

小木曽:最低限と言ったら、「法律」ですよね。これは年齢関係なく必須です。そこから先は社会人として、組織人として、自分が今どんな状況でどんな立場かということをちゃんと自分で理解して振る舞えるのが大人なので、逆にそれが出来ない人は、大人でもSNSに向いていないと言えます。

周りの大人で、「ちょっと問題だな」っていうSNSの使い方をしてる人がいて、注意しても「俺がいいと思うんだからいいんだ」って言い返されそうな人っていますよね。もし大人の方にそう言われたら何も言えないので、そういった難しさはあると思います。

青木:学生と大人で、投稿の基準に違いってありますか?

小木曽:私が学生さんにお話をするときは、いつも「玄関ドアに貼れるものがネットに載せられるギリギリだよ」って話をするんです。大人は、それぞれ玄関ドアが違うので「立食パーティーや懇親会でお酒が入るけれど、知らない人が結構混じっている」というような場面で話せる内容が、ネットに載せられる限界です。

青木:ほう。

小木曽:逆に言うと、そういう懇談会のような場で失敗しちゃう人って、ネットでも失敗しがちだなと思います。

青木:Xなどでは「独り言」として呟く人がいますが、独り言のつもりでも、発信した時点で、もうみんなに知られてしまっているということですよね。

小木曽:もちろんです。独り言っていうのは例えであって、実際は世の中に送り出してるわけですから。独り言のつもりでも、あれは情報発信以外の何物でもない。ですので、反応は必ず起きるだろうということは前提にした方がいいと思います。

青木:非公開のアカウントなら、職場の愚痴を書いていても大丈夫というわけではないですか。

小木曽:元々ネットって、フォロー数・フォロワー数や公開・非公開関係なく、「何を投稿したのか」によって、拡散したり、炎上したりするものです。大事なのは、設定ではなく、投稿内容。これが全てですね。

ビジネスツールの場合、子供が使う場合の注意点は

青木:職業によっては、SNSを仕事のツールとして活用している人もいると思います。そういう人はどんなところに気をつければいいですか。

小木曽:これは難しいですね。その人が仕事で損をしてでも言いたいことを書きたいのであれば、それは自由なんですよ。でも顧客を失ったりビジネスチャンスを逃したりしたくないなっていう場合には、そうなる可能性のある内容は投稿しないということです。

青木:番組や企業の公式アカウントを運用している広報の担当者などもいると思います。こうした方の場合、個人アカウントの運用と違った注意点がありますか?

小木曽:その場合は、そのアカウント専用の端末を決めて、絶対にそれ以外では更新しない、触らないというのを徹底して欲しいです。公式アカウントと個人アカウントを一つの端末で切り替えながら投稿していると、うっかり公式に個人的な内容を載せてしまうという、いわゆる「誤爆」という事態を引き起こしてしまいます。「これは絶対にやめてください」と、いつも私は言っています。

青木:そうですよね。私も番組の公式Xを運用するときがあるんですが、そこで先週食べたラーメンを上げてしまったぐらいなら笑い事で済んでも、何か別の投稿だったらそうはならないですもんね。

小木曽:ならないです。実際にいろんな事件が世の中で起きていますから。

青木:お子さんが投稿する場合に気をつけた方がいいポイントは何ですか。

小木曽:日常生活の中で、折に触れ「こういうのは書かないでね」などと、ちゃんと言っておくのが大事かなとは思います。

青木:わかりました。小木曽さん、ありがとうございました。
※2026年4月16日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

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