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その写真、本物? 専門家に聞くフェイクニュースの見分け方

ある出来事に世間が注目している時や、災害などで世の中が混乱している時、フェイクニュース(偽ニュース)を見聞きすることがあります。きょうはフェイクニュースの見分け方について、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員で、情報リテラシーの専門家・小木曽健さんに、SBSアナウンサー松下晴輝がお話をうかがいました。

判断を“保留する”という選択肢を持つ

小木曽フェイクニュースは大きく3つに分けられます。誤解や勘違いで拡散した「ミスインフォメーション」、意図的に作られた「ディスインフォメーション」、勘違いさせる見出しなどの「マルインフォメーション」があります。昨年9月、静岡市清水区の台風15号による大規模水害でもフェイク写真が問題になりました。

松下:注目を集めているニュースだからこそ、情報を受ける側も慎重にならないといけないですね。生成AIの発達により、加工された写真なのか本物なのか見分けづらいことがあります。

小木曽頑張って見分けようとしないことが重要です。自分の知識で正確にジャッジできる情報は少ないので、「判断を保留する」「すぐに決めない」という選択肢を持つことが重要になります。見分けられないのは恥ずかしいことではありません。

松下:フェイクニュースのほうがSNS等で拡散される印象がありますよね。

小木曽「誰かに言いたい」「意外だ」「誰も知らない」「もしそうだったら良いなあ」「これは許せない…。」そういう情報は拡散しやすいです。フェイクニュースはこれらの要素を備えています。

松下:だまされないことが大切ですね。

小木曽:情報はその人の立ち位置によって見え方が変わるものです。数字の「6」は反対側から見れば「9」に見えますし、横から見ればひらがなの「の」にも見えます。世の中には「ホント」でも「ウソ」でもない「それ以外」がある、ということを強く意識することが重要です。私の感覚では、ホント・ウソ・それ以外の割合は1:1:8ぐらいです。

フェイクニュースを拡散してしまったときは!?

松下:自分がSNSで拡散した情報がフェイクニュースだった場合、どうしたらよいのでしょうか?

小木曽思わす投稿を消したくなりますが、グッとこらえて、その投稿に続ける形で「これは誤りでした。消してしまうと誤りだったことが伝えられず、何が間違いだったかも分からなくなってしまうので、訂正のお知らせと一緒に残しておきますね」と追記するのが良いと思います。何を訂正するのかがわかることがポイントです。

追記ができなかったり、誰かに迷惑をかけるので消す必要がある場面もあると思います。その場合は、消す前にスクリーンショットを取って、消した内容が分かるようにしておくとよいです。

松下:「自分が拡散したこの情報は間違っていたんですよ」って明示することが大事なんですね。

※2023年9月8日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
今回お話をうかがったのは……小木曽健さん
講演や書籍、メディア出演などを通じて、炎上の「火消し」から、ネットで絶対に失敗しない方法、フェイクニュースの見破り方まで幅広く発信中。著書は「炎上しても大丈夫! 今日から使える企業のSNS危機管理マニュアル」(晶文社)ほか多数。全国の学校・企業・官公庁向けに40万人、2000回以上の講演実績あり。

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