静岡浅間神社と徳川家康のお噺し
語り:春風亭昇太
今川氏、武田氏をはじめ数々の武将たちに崇敬された静岡浅間神社。中でも、ここで元服式を行ったとされる徳川家康は、ひときわ思い入れが強かったと言います。
家康は、武田氏との戦のために、焼き払った社殿を約束通りに再建したとされ、その思いは、江戸幕府の歴代将軍たちにも、引き継がれました。安永2年(1773年)と、天明2年(1788年)の2度の火事に遭い、その社殿は全焼してしまいましたが、文化元年(1804年)から、再び社殿の建立が行われました。幕府の援助を受けた工事として、60年の歳月と10万両とも言われる多くの資金を投じて再建されたのが、現在の社殿群です。
神部神社、浅間神社、大歳御祖神社の三本社と四つの境内社から成る静岡浅間神社。平成26年度から、平成令和の大改修が始まりました。20年をかけて、26の重要文化財の漆と彩色を塗り替える工事が進められています。塗り替えが終わった大歳御祖神社と少彦名神社、そして楼門。40年ぶりの大改修で創建当時の壮麗な総漆極彩色の姿を取り戻しました。
そして、2023年5月から、大拝殿の塗り直しが始まります。富士山を模した2階建ての大拝殿は、高さ25メートル。漆塗りの神社建築では日本一の高さを誇ります。色鮮やかに蘇るのは、およそ5年ののちとなります。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)