
静岡浅間神社の廿日会祭のお噺し

春、静岡浅間神社では「廿日会祭」と呼ばれる祭りが行われます。
戦国時代、旧暦2月20日に行われていたものが明治になってからは4月5日に行われるようになったこの祭りの主役は「稚児舞楽」です。2022年3月に貴重な伝統芸能として重要文化財の指定を受けました。
この稚児舞楽は、もともと駿河を代表する古刹であった「建穂寺」で行われていたもので、今川氏の時代に天下泰平、五穀豊穣を祈願して静岡浅間神社でも舞われるようになりました。徳川家康も稚児舞楽を保護し、衣装を寄贈したといわれています。
現在、伝わっている演目は5つ。毎年、氏子として選ばれた市内の小学生たちが舞いますが、「安摩」という演目に登場する「二の舞」だけは、この稚児舞の発祥の地とされる建穂の人々が担当することになっています。
「ズジャンコ舞」とも呼ばれるこの舞は「二の舞を演じる」という言葉の語源とされています。安摩の舞に続いて、ジジとババの面を付けた舞役が、その舞をまねて稚児のまわりを滑稽に舞う「二の舞」。この舞を見て、稚児が笑ってしまうと「その時に稚児が見ていた方角がその年は不作になる」と言われ、笑いをこらえる稚児たちの微笑ましい姿も見どころです。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)