家康公お手植えミカンのお噺し
語り:春風亭昇太
毎年12月の中ごろ駿府城公園にある、「家康手植のミカン」が収穫されます。400年以上前に紀州、現在の和歌山県から献上された鉢植えのみかんを、徳川家康が駿府城の天守台あたりに植えたとされているのが、このみかんの木です。
香りが強く、種のあるこぶりな実が特徴で、静岡で育てられてきたミカンの起源を物語る貴重なものとして、昭和25年県の天然記念物に指定されました。このみかんは本当に「紀州」からきたのか静岡雙葉高校の生徒がおよそ2年をかけて、その研究に取り組みました。葉のゲノム解析を行い、紀州ミカンの特徴と一致するのが確認できたことから、家康のお手植えみかんは「紀州」みかんであると特定されました。
駿河湾を望む小坂地区にはミカン畑が広がっています。鎌倉時代、この地区に創建されたとされる安養寺。この寺の山門の近くにあるみかんも家康公のお手植えと伝えられています。
家康は、鷹狩りのため、小坂を訪れていたといわれています。この寺の当時の住職は、駿府城へ出向いて家康に仏の教えを説いていたとされ、家康公から賜ったという、金蒔絵の香炉が寺に残されています。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)