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SBSテレビ 静岡市歴史めぐりまち噺し

安倍川の薩摩土手のお噺し

2022年6月26日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」は、安倍川の薩摩土手のお噺しです。
徳川家康が大御所として駿府に戻ったのち、幕府の命で行われた大規模工事「天下普請」の一環として、安倍川に「駿府御囲堤」が整備されました。

慶長年間に整備されたこの堤は、薩摩藩の島津家が普請したと伝わることから、「薩摩土手」と呼ばれています。薩摩藩は、500石積みの船150艘に積み込んだ石や材木とともに薩摩から駿府へやって来たといわれています。

駿府城を拡張するための工事に伴い、城下町の整備が行われ、安倍川の洪水から駿府城や町を守るための堤が造られました。当時の規模は、井宮神社から安倍川に向かっておよそ4.4キロにわたり、高さは5.4メートル。

駿府城下を囲うように、石を積んで作られたこの堤によって、別々に流れていた安倍川と藁科川がひとつに合流したといわれています。甲斐の武田信玄が作った「信玄堤」にならったとされる工法で、強い川の流れに逆らう事なく、幾つもの枝となる堤が造られました。

鳥の雁が夜空を飛んでいる形に似ていることから「雁行性堰堤(がんこうせいえんてい)」と呼ばれたこの工法は、世界に誇れるほど優れたものでした。やがて河川堤防が強化され、駿府のまちと、人々の安全を守ってきた薩摩土手は、現在およそ700メートルだけが残されています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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