
静岡の献上茶のお噺し
語り:春風亭昇太

静岡では、毎年、県内の茶産地から選ばれた茶畑で、最高の条件で育てられた茶葉を摘み、優れた茶師が手もみで最高のお茶に仕上げて皇室に献上しています。今年で65回目を迎える「献上茶謹製事業」は、全国の茶産地の中でも、静岡県と埼玉県でのみ行われている伝統行事です。今年は開館したばかりの静岡市歴史博物館で式典が行われ、静岡市内で育てられたお茶が、献上茶に仕上げられました。
県内でも有数の茶どころ静岡市には数々の茶産地があります。県内で最も古い歴史を持つのが、安倍川とその支流、藁科川の流域で作られている静岡本山茶。静岡市出身の禅宗の僧侶、聖一国師が、中国から持ち帰ったお茶の種を足久保に蒔いたのが、その始まりだと言われてます。
川霧のかかる、山の斜面で栽培される本山茶。川霧が茶の葉に照りつける陽差しを和らげてくれることで葉が柔らかくなり、爽やかな香りと上品な口当たりが特長のお茶ができるといいます。
興津川の上流に位置する清水区両河内でも、川霧と豊かな自然によって上品な香りの銘茶が育ちます。両河内は、毎年、静岡茶市場の初取引で最高値を記録する茶産地としてその名を知られています。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)