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静岡県内学校、暑さ対策着々 製氷機やクーラー設置 危機管理の手引き見直し「身を守る意識、自ら高めて」

 夏の本格的な到来を前に、静岡県内の学校現場が熱中症への警戒を強めている。体が暑さに慣れる前の時期は熱中症のリスクが高く、県と市町の教育委員会は近年、ハード・ソフト両面で対策を進めている。

製氷機の氷を水筒に入れる磯部大智さん
製氷機の氷を水筒に入れる磯部大智さん
スポットクーラーを試運転すると、周囲に冷気が広がった=4月下旬、静岡市立城内中
スポットクーラーを試運転すると、周囲に冷気が広がった=4月下旬、静岡市立城内中
製氷機の氷を水筒に入れる磯部大智さん
スポットクーラーを試運転すると、周囲に冷気が広がった=4月下旬、静岡市立城内中


 静岡市葵区の市立城内中は今春、「部活動応援隊」の静岡ライオンズクラブから寄贈された製氷機を保健室前に設置した。けがの応急処置とともに、飲み物の冷却にも使用し、熱中症対策に役立てる方針。気温が26度を記録した4月下旬、水筒に氷を入れた3年の磯部大智さんは「飲み物がすぐにぬるくならなくて助かる」と笑顔を見せた。
 同校には昨年度から、スポットクーラー(可搬式冷風機)も配置されている。体育館で試運転した白鳥達也教頭は「昨夏はほぼ毎日稼働した。今年も体育の授業や部活のクールダウンで活用したい」と話した。
 市教委によると、同中などでの試験導入を経て今年、スポットクーラーは他校にも拡大し、6月末までには市内の公立全小中の体育館に設置する方針だ。
 浜松市教委は、各校の対策の指針となる「防災対策基準」に「暑さ指数31度以上 運動は原則中止」など、学校での対応を記載。スポーツドリンク持参の許可▽経口補水液や保冷剤の備蓄▽ミストシャワーの設置―など、対策の具体例も示している。4月下旬には早速、市内各校に通知を出して熱中症対策を呼びかけた。
 県教委の呼びかけで昨冬には、熱中症などへの対策の実効性向上を目的とした、県内の全市町教委の担当者が集まる危機管理マニュアルの見直し研修会が開かれた。このほか県教委は、本年度までに3年間をかけて健康体育課の職員が全県立校を訪問し、学校ごとの対策の確認を進めている。今年は暑い期間を避けるため、県内の小中高生の多くが参加する新体力テストの実施期間を11月末までとし、昨年より1カ月程度延ばす。
 同課は「生活習慣を整えたり、自ら先生に体調不良を伝えたりするなど、児童生徒にも自分の身を守る意識を高めてほしい」と呼びかけている。
 世界気象機関(WMO)によると、昨年の平均気温は観測史上最も暑かった。気象庁の3カ月予報によると、今年も5~7月の気温は全国的に高い見込み。
 (教育文化部・鈴木美晴)

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