月給上げ幅、1%超え焦点 国家公務員、2024年度

 人事院は民間給与の実態調査を始めた。結果に基づいて夏に、国家公務員の2024年度の給与水準を国会と内閣に勧告する。民間の春闘では物価高に対応した大幅な賃上げが続いており、月給は3年連続の引き上げ勧告が確実な情勢。焦点は引き上げ幅で、1%を超えれば1997年度以来、27年ぶりとなる。

過去5年間の人事院勧告
過去5年間の人事院勧告

 調査期間は4月22日~6月14日。対象は約1万2千事業所で、50人以上の従業員がいる全国の事業所から抽出した。主な調査内容は4月の給与総額や賃上げ状況、今夏のボーナス水準。併せて通勤手当や寒冷地手当の支給状況、定年後に再雇用した従業員の給与水準なども把握する。
 労働組合の連合が4月18日に公表した春闘の中間集計によると、定期昇給分も含めた平均賃上げ率は5・20%で、大幅増となった前年同期に比べても1・51ポイント高い。
 人事院の調査でも賃上げが確認されれば、国家公務員の月給引き上げを勧告する。一方でボーナスは、経団連集計で昨冬が1・37%増にとどまっており、人事院幹部は「夏の支給状況を見なければ、上がるかどうかは分からない」との見方を示している。
 人事院は2022年度から2年連続で月給、ボーナスともに引き上げを勧告した。23年度の引き上げ幅は、代表的職種の行政職で月給が平均0・96%、ボーナスは0・10カ月増の4・50カ月だった。
 24年度は、10年に1度の給与体系見直しも勧告する。具体的には、赴任地に応じて給与を割り増す地域手当の再編や、配偶者向け扶養手当の縮小、新幹線通勤の対象拡大を盛り込む予定だ。

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