うちはネットが遅いかも……。!ネット環境って改善できるもの?
今回はインターネットの「速度」について。インターネットで映画を見たり、ショッピングをしたり、オンライン授業を受けたりと、みなさん、様々なことをやっていると思います。ですが、途中で接続が切れた!長い動画がダウンロードできない!など、イライラした経験はありませんか? All Aboutで LAN・無線LANガイドを務めるテクニカルライターの岡田庄司さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がインターネットを快適に使うコツを教えていただきました。.jpg)
牧野:オンラインミーティングなどをしていて、途中で接続が切れてしまうなど、インターネットがサクサク動かない原因はどういうところにありますか?
岡田:よくスマートフォンで「パケ詰まり」という言葉がありますが、やはり、回線の速度が十分ではない、それから不安定である、そのようなところですね。
牧野:そもそも自分のネットが速いのか遅いのか、速度はどこで判断できるのでしょう?
岡田:一般的には「スピードチェック」や「ファストドットコム」などの速度測定サイトで測定します。
牧野:なるほど。試しに私の携帯を測ってみると223Mbpsと出ました。数値はどれくらい以上あるといいのでしょうか?
岡田:動画を見る程度であれば最低100Mbps程度、200、300Mbpsあれば十分かと思います。
どうすればインターネットの速度を速くできる?
岡田:プロバイダーを変更するというのが一番いいのですが、なかなか手軽にできませんよね。Wi-Fi環境の方であれば、無線LANルーターというのものを使用していると思いますが、4、5年前の無線LANルーターでは速度や精度が不足しているので、新しいものに買い換えるというのはひとつの手です。1万円前後で手に入りますよ。ほかには端末の処理速度も見逃せません。例えばiPhone7から iPhone12にすると、Webページの表示がかなり速くなるのではないかと思います。牧野:その場所のインターネットの速度が速い・遅いというのもあるけれど、端末自体もかなり大切なんですね。無線LANルーターは、割と早いペースで進化しているんですか?
岡田:1年で変ります! 1年経つとだいぶ安くて、速いルーターが出てきますよ。
牧野:賃貸住宅の場合、入居時にもともとついているということがあると思います。「10年前に入居しました、ずっと同じ設備です」という場合は遅くなっている可能性があるのですね?
岡田:はい、替えるとかなり変わると思います。あとは、なにかの付録などでついてくるような無料の無線LANなども最低スペックのものが多いので、お金はかかりますが1万円程度で定評のあるものを、レビューなどを参考にして買われるといいかなと思います。
牧野:取り揃えるとインターネット速度をアップできるというアイテムは他にもありますか?
岡田:まずは、無線LANルーターを新しいものに。もし家の中で速度が上がらないスポットなど、Wi-Fiで電波が届きにくい場所がある場合は、中継器というアイテムを利用すると電波の弱いスポットを強くすることができます。あとは価格は高くなりますが、メッシュWi-Fiを利用すると家じゅうに満遍なく電波を届かせることができます。
牧野:ちなみに中継器はどのくらいの価格でしょうか?
岡田:普通にWebページを見るくらいであれば、何千円のものでもいいかなと思います。
無線と有線、どちらがいい?
牧野:ここまで無線LANについてうかがいました。昔は有線で繋いでる方が多かったと思いますが、今も有線はいいものですか?岡田:私は仕事の場合は、全部有線を使っています。有線の方が安定していて、速度も速いです。やはり、無線というのは電波を間に挟んでいますので、どうしても遅くなる傾向があります。それでも最近の無線は、かなり速くなってきましたけどね。
牧野:例えばオンラインの授業で、一言たりとも逃したくない!というときには、有線の方が安心ですか。
岡田:使える環境があればその方がいいです。
牧野:なるほど! 有線の場合はどうしても、ケーブルが届く範囲という制限ができてしまいますしね。有線も昔に比べて進化しているものでしょうか?
岡田:有線でもルーターを使いますから、ルーターが遅ければ十分な速さが出ないということになります。
牧野:その他、重要なポイントやサービスなどがあったら教えて下さい。
岡田:必ず速くなるとは限りませんが、利用しているプロバイダに「IPV6」というオプションがあればそれに加入すると速くなる可能性があります。詳しく知りたい方は「IPv6に変更したらインターネットは速くなる?」(All About)をぜひ読んでみて下さい。
牧野:今回は初歩から教えていただきましたが、様々なキーワードが出てきましたね。中継器、メッシュWi-Fi、IPV6などいろいろ難しいですが、こういった機器を使うと回線速度が速くなる可能性があります。まずは速度テストができるサイトで自分のネット環境を調べてみる。そこで100Mbpsを下回る速度の場合はちょっと対策をした方がいいぞ、と考えてみて下さい。
今回お話をうかがったのは……岡田庄司さん
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。