【「ながいいちほ展」】親密ではないが、拒絶は感じない

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は7月30日まで静岡市清水区のフェルケール博物館1階ギャラリーで開かれている「ながいいちほ展」。

三島市出身、伊豆半島在住の女性美術家の個展。大小の平面、半立体など約10点。キャンバス、不定型な木板を支持体に。描くのはどこかいびつで、不愛想にも見える少女や初老の男性。角が生えた異形の者も。親密ではないが、「拒絶」は感じない、中間的な意志が伝わるまなざし、表情がいい。欧州の絵本を開いているような感覚。オレンジの下塗りに重ねた、(おそらくは)ペイントナイフの跡が細かく残る絵肌に空気のざわめきを感じる。

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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