【フェルケール博物館の「クロダユキ展」】 赤は鮮烈なだけじゃない
藤枝市在住のクロダさんの写真展。「etarnal RED」を掲げ、川べりの彼岸花を捉える。赤を誇るように咲き、朽ちていく花の一生。彼岸花の群れに向かって急降下する蝶の姿が美しい。赤という色は鮮烈さを伴うが、本展の写真からは無常さや諦念も感じられる。咲いて、朽ちる、という自然の摂理の抗えなさ。「種の継承」による「永遠」は作家の願いだろうか。英語による注釈に「red spider lilly」とあり、クモになぞらえられた花の形の奇妙さにも気づかされた。
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