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静岡新聞教育文化部

【「坂東祐大&文月悠光 音楽と詩と声の現場2024」】深淵、軽妙、親密な混然

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、3月20日に静岡市駿河区のグランシップ開かれた作曲家・音楽家の坂東祐大さんと、「しずおか連詩の会」でもおなじみの詩人文月悠光さんによる公演。フルート多久潤一朗さん、ギター秋田勇魚さん、バイオリン石上真由子さん、朗読矢部華恵さん。

現代詩と現代音楽の、深淵で軽妙で親密な混然。文月さんの詩を出発点にした坂東さんによる楽曲の数々は、言葉の抑揚を音符化したものではなく、言葉の連なりが生む心地よさや違和感、恍惚や苦々しさを「音楽」として浮かび上がらせたもの。例えるなら、言葉はキャンバスにしたたらせた絵の具、音楽はそれを解体・再構築するための筆や刷毛。舞台上の演者6人が、抽象の上に具象を、具象の上に抽象を重ね塗りしているように思えた。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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