テーマ : 南伊豆町

コラム窓辺 茅葺き文化を守る【白井貴子/シンガー・ソングライター】

 たくさんの応援をいただき大成功に終わった先日のコンサートでは、会場で「SDGs(持続可能な開発目標)カーニバル」を開催しました。
 そこに南伊豆町からは、町内のわが森のお世話をしてくれている樹木医の森広志さんや、長年仲良くしていただいている長田建設工業の長田芳郎社長らが駆けつけてくれました。長田社長には、私の自然に親しむイベント「南伊豆PEACE MAN CAMP」で参加者のヘルメットや飲料水を提供していただくなどお世話になってきました。
 一番うれしかったのは、私がSBC信越放送の番組で、長野県小谷村の茅葺[かやぶ]き職人のドキュメンタリー「とうちゃんは茅葺師」のナレーションを担当した時のこと。主人公である「小谷屋根」の親方が葺き替えるという神奈川県藤沢市の民家を見学していた時、「このペースでは番組撮影の間に茅を葺き終えられないかも!?」という話になりました。「軽トラックじゃなく2トン車で一気に茅を運ぶしかない。そうだ! 長田社長に相談しよう」と連絡してみたら「いいですよ! ウチでトラックを出しましょう!」と遠路はるばる2トントラックで茅を運んでいただいたのです。
 茅は屋根として70年ほど長持ちし、役目を終えてもなお畑の素晴らしい肥料になるそう。偉大なる自然のサイクルで人間の生活を支えてくれている茅葺き屋根の文化を守ることにご賛同いただけたことは、とても素晴らしい出来事でした。
(白井貴子=しらいたかこ/シンガー・ソングライター)

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