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廃棄物 乾燥、減量し燃料節約 焼却炉負担減へ実験 南伊豆町 

 南伊豆町は東京都の企業と連携し、一般廃棄物を低量化する処理をしてから焼却する実証実験を10月から開始する。廃棄物の量を焼却前にあらかじめ減らすことで、焼却炉の燃料低減や長寿命化につなげる狙い。将来的には廃棄物の処理で生じた熱を電力に変換して利用することも視野に入れる。

ERSシステムを確認する関係者=9月中旬、南伊豆町清掃センター
ERSシステムを確認する関係者=9月中旬、南伊豆町清掃センター

 9月中旬、町清掃センターには新たに高さ約5メートル、幅約3メートル、奥行き約20メートルの巨大な装置が設けられた。東京都の環境エンジニア業「ジェット」が独自に開発した「急速発酵乾燥資源化装置」(ERSシステム)。実証実験では、処理された廃棄物を隣接する施設で焼却する。通常の焼却時は化石燃料を投入して水分を飛ばすが、既に同システムで廃棄物が乾燥されているため、化石燃料を使用する必要がない。処理する過程で廃棄物の重量はおよそ半減し、焼却炉で使用するエネルギーも低減できるという。
 実証実験は1年間。今回両者が連携に至ったのは、町内の1日当たりの家庭一般ごみが10トン程度と、装置の処理能力に合っていたため。一般廃棄物を処理する過程で発生する熱を電力として、隣の焼却炉で活用できないかも調べる。装置は農業法人や企業など国内外16カ所で導入し、家畜のふん尿で堆肥を生成するなどしている。
 同町と下田、西伊豆、松崎の4市町は広域ごみ処理事業を計画中で、下田市に新たな焼却施設を整備する見込み。岡部克仁町長は「実証実験は広域事業からの撤退を示すものではない」と強調。実証実験で成果が得られれば各市町にも同システムの導入を呼びかける意向を示す。
 (下田支局・伊藤龍太)

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