平和への思い新た 静岡県東部各地で追悼式【戦後78年 しずおか】
終戦から78年を迎えた15日、県東部の各地で戦没者を追悼する式典が開かれた。遺族の高齢化が進み、ロシアのウクライナ侵攻が続く中、悲惨な戦争体験の継承や不戦の誓いを新たにした。
富士市
戦没者追悼式で平和を祈る遠藤さん=富士市のロゼシアター
富士市のロゼシアターで行われた戦没者追悼式には遺族や小長井義正市長ら約160人が出席。黙とうと献花をささげ、犠牲者3697人の霊を慰めた。
市遺族会を代表してあいさつした遠藤保豊さん(83)は、戦争で父親を失った悲しみと悔しさを語り「いまなお世界では争いが絶えない。改めて平和を祈る」と述べた。
富士宮市
戦没者に花を手向ける参列者=富士宮市民文化会館
富士宮市の市民文化会館で営まれた戦没者追悼式では、市遺族会の会員や高校生ら251人が参列した。犠牲になった2186人に慰霊の花をささげた。
遺族代表の吉野友勝さんは「遠く離れた異国の地で最期を遂げた家族を思うと今も涙が出る」と述べて戦争で家族を失った悔しさをにじませた。須藤秀忠市長は「平和と繁栄を継承していくことが私たちの使命」と不戦の心を新たにした。
裾野市
黙とうをささげる出席者=裾野市生涯学習センター
裾野市は生涯学習センターで開き、遺族や市民団体の代表ら約120人が黙とうをささげ、同市の戦没者657人をしのんだ。
村田悠市長は「明るく豊かな郷土を築くために今後も努力し、無益な戦争を繰り返さないよう切に願う」と述べた。市遺族会の横山昌孝会長(75)は献花後、「ロシアによるウクライナ侵攻などが起きる中、戦後78年にわたって続く平和と自由を守ることがとても大事になっている」とあいさつした。
長泉町
参列した遺族に平和を誓う中学生=コミュニティながいずみ
長泉町はコミュニティながいずみで開き、広島市での平和研修を終えた中学生代表者が「(戦争を)自分事と捉え、全員で平和をつくっていく」と参列した遺族らに誓った。
池田修町長や町遺族会会員ら約40人が出席。遺族会の米山正史会長(73)は「日々の暮らしは戦火の中で尊い命をささげた戦没者の重い犠牲の上につくり上げられたもの」と述べ、「遺族会を存続させ戦争の悲惨さ、平和の尊さを語り継ぐ」と決意した。