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スズキ、HVリチウムイオン電池再利用 ソーラー街灯の電源に

 スズキは23日、同社製乗用車のハイブリッド車(HV)に搭載されている小型リチウムイオン電池について、廃車になった車両から回収した後、ソーラー街灯用の電源に再利用する技術を開発したと発表した。まだ使える状態で処分されていた資源を有効活用し、持続的な循環型社会の構築に貢献する。

スズキ本社敷地内に設置されているソーラー街灯=浜松市南区
スズキ本社敷地内に設置されているソーラー街灯=浜松市南区
活用するリチウムイオン電池
活用するリチウムイオン電池
スズキ本社敷地内に設置されているソーラー街灯=浜松市南区
活用するリチウムイオン電池

 使用済みの小型リチウムイオン電池は20センチ四方ほどの大きさ。ソーラー街灯はこれを10個内蔵し、雨天時など日照量がなくても5日間稼働する想定で設計した。容量は新品時から10%程度の劣化を見込んで計324ワット。浜松市南区の本社敷地に7基と近くの駐車場に1基の計8基を配置し、検証を進めている。
 同社は2012年、ブレーキをかけた際に発生する減速エネルギーで発電した電気をリチウムイオン電池に蓄え、再利用するシステムを採用した。同電池搭載車は累計約400万台以上(OEM含む)あり、今回のリユース技術は14年以降の新システム導入車が対象になる。購入から廃車までの期間が平均で約15年とされるため、20年代後半から使用済み電池の発生増加が見込まれるという。
 自動車リサイクル料金の収支余剰金の活用事業として19年から研究を進めてきた。同社は「稼働状況や課題を検証し、技術の普及を図りたい」(広報部)としている。
 小型、大型を含めたリチウムイオン電池を巡っては、将来のHVやEV(電気自動車)の普及を見据え、メーカーなど自動車産業各社がリユース・リサイクルの仕組みを検討している。

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