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「感性」計測 女性向けパター ヤマハが発売、心理的特徴を数値化

 ヤマハは11月3日、ゴルフクラブの新製品として、女性用パター「SENSUS(センサス)」を発売する。楽器や音響事業で培った「感性」の計測技術を重さなどヘッドの設計や形状のデザインに取り入れた。初中級者をターゲットに、パターの苦手意識を克服する製品としてPRする。

女性の感性などを計測して開発したヤマハのパター「センサス」D(左)とL=浜松市中区の同社本社
女性の感性などを計測して開発したヤマハのパター「センサス」D(左)とL=浜松市中区の同社本社

 女性ゴルファーに特化したパターの研究は2022年春ごろから始め、ゴルフ事業を担う「ゴルフHS事業推進部」と、2017年に発足し、耳なじみの良いヘッドフォンを開発した経験がある「感性計測グループ」が共同開発した。
 今回はスコアが100前後の女性ゴルファーを社内外で10人選出し、距離感など「カップが狙いやすい」というパッティングの心理的特徴を言葉で聞き出して、傾向を数値化した。ヘッドのデザインの基本コンセプトに視覚効果を取り入れ、直線や平行線など直角の要素を採用し、グリップにもラインを入れて構えやすくした。
 さらに自分の思うように打ちたいと考える人、クラブに頼る人と2タイプに傾向を分け、それぞれマレット型(センサスL)とネオマレット型(D)の2種類を用意した。
 重量や重心を両極端にした複数のパターを打ってもらい、スイングの特徴など運動計測も数値化。安定感を生み出す最適な重さをはじき出し、マレット型は390グラム、ネオマレット型は410グラムとした。結果的に男性用の重量平均約350グラムよりも重くなったという。
 ゴルフHS事業推進部の織田悠聖さんは「どのゴルフメーカーもレディースパターに注力していなかったが、(センサスは)女性に寄り添った製品が完成した」と述べた。
 国内外の2年間の販売目標は2種合計で8600本。販売価格はLが税込み3万4100円、Dは3万7400円。
 (浜松総局・大山雄一郎)

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