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スズキ「スペーシア」6年ぶり全面改良 衝突被害軽減と燃費向上 22日発売

 スズキは9日、主力の軽自動車のハイトワゴン「スペーシア」を約6年ぶりに全面改良し、22日に発売すると発表した。衝突被害軽減を図る安全機能や燃費の向上、後席の快適性を高めるなど進化させた。
全面改良した「スペーシア」をオンラインで発表したスズキの鈴木俊宏社長
 2013年に初代モデルを発売し、シリーズ国内累計130万台(商用車「スペーシアベース」含む)。3代目の新型は「コンテナ」をモチーフとし、後席格納時の荷室高を広げたほか、後席座面前に足の支えとして位置や角度を調整できる装備を取り入れた。
 モーターがエンジン走行を補助するマイルドハイブリッドシステムを全車種搭載。燃費性能(WLTCモード走行)は最新エンジン採用などで1リットル当たり最大25・1キロと、軽ハイトワゴンクラスでトップという。
 同日のオンライン記者会見で鈴木俊宏社長は「ファーストカーとして家族で使用したいニーズが増えている。価値があり、環境にも優しい軽自動車を届ける」と述べた。
 湖西工場で生産する。希望小売価格はスペーシアが税込み153万100円から、スペーシアカスタムが180万1800円から。月間の販売台数目標は計1万2千台。
■マルチユースフラップで後席快適性を向上
新型車に初採用した「マルチユースフラップ」。足の支えや荷物落下防止などに活用できる スズキが9日発表した全面改良の新型スペーシアとスペーシアカスタムは、「安心」「快適」の追求で機能や装備を進化させ、「オリジナリティーあふれる魅力を詰め込んだ」(鈴木俊宏社長)。後席座面の前方に、足を支えて乗り心地を高める軽自動車初のマルチユースフラップを配備。検知エリアを広げた衝突被害軽減機能などの安全機能も充実させた。軽自動車をファーストカーに選択する家庭が増えているとし、子育て後の乗り換え期も含め長く乗り継いでもらうことを狙う。
 開発には、商品企画本部担当者がユーザーのインタビューや行動観察を通じて、潜在的な困りごとやニーズをくみ、機能に落とし込んだ。マルチユースフラップは好みに合わせて位置や方向を変更でき、脚の支えのほか、荷物落下防止のストッパーにもなる。実用的な収納を増やしたほか、コロナ禍の生活様式の変化に合わせてテイクアウトにも対応できるパーソナル卓の拡大なども図った。
運転席から見たピラーの断面を細くなるよう設計し、前方の視界を向上させた 安全機能は、新衝突被害軽減ブレーキシステムの採用で、側面から近づく車や二輪、見落としやすい交差点での検知など、幅広く衝突回避や被害軽減につなげる。前方ピラー(柱)断面を細くし、視界も広げた。
 2022年度のスペーシア(商用車スペーシアベース除く)の販売台数は、前年度比6・8%増の11万697台で、軽自動車では首位の「NーBOX」(ホンダ)などに続き3位だった。オンライン記者会見で鈴木俊宏社長は「販売促進策を見直して1台でも多く売っていく」と述べた。
 価格は、安全機能の向上と原材料価格の高騰分などを踏まえて現行モデルから約1割値上げする。

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