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あせも予防のポイントは2つ! 皮膚科専門医に聞く

今回は、あせもの予防と対処法について、東京大学皮膚科学教室助教の江畑慧(えばた・さとし)さんに、SBSアナウンサー青木隆太がお話をうかがいました。

※2023年7月14日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

しわがある部位、衣服とこすれる部位にできやすい

江畑:あせもは、汗が皮膚にこもることで発症するトラブルです。日本の夏のような高温多湿の環境で過ごしたり、運動したりすると、体温調整のために汗をたくさんかきます。一気に汗をかきすぎてエクリン汗腺が詰まり、皮膚が荒れた状態を「あせも」といいます。

皮膚のごく表面で管が詰まった軽いあせもの場合は、だいたい1〜2ミリ程度の小さくて透明な水ぶくれができ、自然に治ります。一方、皮膚の奥の方で管が詰まると炎症を起こして、赤くなったりかゆくなったりします。こうした場合には治療が必要です。

青木:あせもができやすい部位はどこですか?

江畑:お子さんは首、わき、足の付け根など、しわがある部位にできやすいです。大人は背中や首など衣服とこすれやすいところにできることが多いです。頭皮で起きることもあります。

青木:なりやすい年齢や体質はありますか?

江畑:誰でも、汗が毛穴に詰まると発生します。ただ、もともと汗っかきだったり、スポーツなど汗をかきやすい趣味や仕事をお持ちの方は注意が必要です。また、赤ちゃんは汗が通るエクリン汗腺が十分に発達していないので、わずかな量でも管が詰まってあせもになりやすいです。

青木:できてしまったら、どうすればよいですか?

江畑:まずはシンプルに、汗自体を減らすことです。なるべく涼しい環境で過ごすことが最大の対策になります。そして、入浴やシャワーで肌を優しく洗い、皮膚の汚れを取って、汗が出てくる管が詰まるのを防いでください。綿など通気性が良くゆったりした服を選ぶと、汗の蒸発を妨げにくいです。

青木:あせもに薬を使うことはありますか?

江畑:皮膚が赤い、かゆいなどの症状が強い場合は、ステロイドの塗り薬が有効です。皮膚科や小児科で処方してもらうとよいでしょう。ステロイドの塗り薬は市販薬もあり、ドラッグストアやネットショッピングで購入できます。

お子さんの場合は皮膚が薄めなので、やや弱めの薬が使いやすいかと思います。薬剤師や登録販売者と相談してください。

あせも予防にベビーパウダーと聞きますが…

江畑:あせも予防にベビーパウダーやクリームを塗ることで、かえって管を詰まらせてあせもを発症したり、症状が悪化したりすることがあります。自己判断では使わない方がいいかと思います。

予防の原則は、汗の量を減らすことと、汗の蒸発を妨げないこと。これらを意識して日々の生活を過ごすといいでしょう。

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免責事項
今回お話をうかがったのは……江畑慧先生
東大医学部卒。東大病院皮膚科助教。皮膚科専門医/医学博士。東大病院病院長賞、JSID臨床研究論文賞、The Most Cited Paper Award of the Journal of Dermatology等を受賞。難病『全身性強皮症』の医師主導治験を成功させ、世界初の業績としてリツキシマブの保険承認を取得。治験結果は世界的医学雑誌のLancet Rheumatology誌に掲載され、メディアを通じて国内外で画期的成果として大きく報道された。

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