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専門医に聞く「白髪のメカニズム」 悩んでも抜いちゃダメ!

新城アナウンサー(今年30歳)の襟足に白髪が…

今回は白髪のメカニズムについて、皮膚科専門医で、All About「皮膚科医 / 皮膚の健康」ガイドの野田真史(のだ・しんじ)さんに、SBSアナウンサー新城健太がお話をうかがいました。
※2023年3月20日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

メラニンを作る細胞の力が弱まる → 髪の色を作れない → 白髪

新城:白髪は何歳ごろから実感するものですか?

野田:一般的には40代ぐらいですね。遺伝的な要因が大きいと考えられていて、20代から白髪交じりという方もいらっしゃいますので、かなりバラツキがあります。病気になって白髪が増えてしまったということも、稀にはあります。

新城:白髪になるメカニズムについて教えてください。

野田:皮膚や髪には、メラニンを作るメラノサイトという細胞があります。この細胞の力が弱くなると、色を作れなくなって白髪になっていきます。

遺伝的要因により、細胞の力やメラニンを作る量には個人差があります。また、まばらに髪が白くなる方が多いです。

新城:ストレスも白髪の大きな原因のひとつなのかなと思っていました。

野田:ストレスがメラニンを作る力を弱めるというか、一時的に作れなくなってしまうという研究結果もあります。基本的には加齢による影響や遺伝的な要素が大きいです。

医師としては「強いストレスがかかって白髪が一気に増えた」とおっしゃっている患者さんがいらっしゃるので、それは十分あり得ることなのかなと思います。

白髪が黒く戻ることは? 髪が黒くなる食べ物や薬は?

新城:一度白髪になった部分から、黒い髪が生えることはあるのでしょうか。

野田:特殊な病気やストレスが原因で一気に進行した白髪に関しては、黒く戻ることがあります。徐々に進行して、全体的に白髪混じりになった場合は難しいですね。

新城:黒い髪に戻る食べ物や薬はありますか?

野田:残念ながら無いですね。白髪に効く可能性もあるという薄毛の注射薬はありますが、絶対治るというような薬は残念ながら無いです。

白髪を増やさないための生活習慣

新城:私は、白髪を抜いて、無かったことにしようとしていた時期がありました。白髪を抜くのは良くないんですよね。

野田:そうですね。毛根が傷んでダメージを受け、髪が生えなくなる可能性があります。なるべくしない方が良いです。抜いても生えてくる毛は基本白いです。

新城:白髪を増やさないためのポイントはありますか?

野田:一般的な「良い生活習慣」だと思います。例えば、喫煙をしない。喫煙は細胞の老化につながり、肌がくすんだり、しわが増えたりします。肌と髪は同じケラチンでてきているので、同じように影響が出ます。野菜を取ったり加工食品を減らしたりして、バランスの良い食生活を心がけるのもよいでしょう。

新城:白髪が気になったら、黒く染めるのが良いのでしょうか?

野田:基本はそうですね。白髪を気にしすぎて抜いてしまうと、毛根がダメージを受けます。気になったら白髪染めでカバーしていくのがよいのかなと思います。

新城:勉強になりました。ありがとうございました。

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免責事項
今回お話をうかがったのは……野田真史さん
東京大学医学部を卒業後、皮膚科診療を行う。皮膚科専門医。東京大学大学院医学系研究科卒業(医学博士)。ニューヨーク州医師免許を取得し、2014年からニューヨークのロックフェラー大学皮膚科で診療、研究。2016年東京大学医学部附属病院皮膚科助教。2018年7月1日、池袋駅前のだ皮膚科を開業。

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