
【いまどきの就活事情】何をどう進めたらいい?と悩んでいる学生へ「しずおか仕事図鑑」編集長がアドバイス
2025年最新!就活スケジュールと、進め方、面接のコツ
子どもや孫がそろそろ就職活動を始めるというリスナーもいるかと思いますが、いまどきの就活はどうなっているのか、静岡新聞社のキャリア支援サイト「しずおか仕事図鑑」編集長で、キャリアコンサルタントの岩上和樹さんに「鉄崎幹人のWASABI」パーソナリティの鉄崎幹人、SBSアナウンサーの堀葵衣が聞きました。
岩上さん(真ん中)
<目次>・「楽しい仕事をしたい」と志望する学生が急増!SNSやYouTubeの影響も
・オープンカンパニーに参加するメリット
・インターシップで気をつけること
・政府が提言する就活スケジュールは?
・企業が求めるのはどんな人材?
・緊張してもOK!面接で大切なのは?
・Webメディア「しずおか仕事図鑑」を活用!
「楽しい仕事をしたい」と志望する学生が急増!SNSやYouTubeの影響も
堀:キャリアコンサルタントって、どんな資格ですか。岩上:一言で言うと「キャリア形成や職業選択を支援する専門の国家資格」です。仕事に関するその人の考えを尊重しつつ客観的な情報提供や分析を行い、最適なキャリアプランを一緒に立てることを「キャリアコンサルティング」といいます。
鉄崎:ちなみに今の学生さんは、どのような就職観を持って企業を決めている感じですか。
岩上:就職情報サイトが昨年行った全国規模の調査結果では、今の学生さんの就職観で最も多かった回答は「楽しく働きたい」でした。「仕事はつらいもの」「苦労して稼ぐべき」みたいな価値観って結構古くなってきて「楽しいと思える仕事をしたい」という就職観になっています。
鉄崎:これ、やっぱりSNSやYouTubeの普及などもかなり影響しているんですかね。
岩上:そうなんです。楽しそうに仕事をして、実際に生計を立てている人も多くいますので「自分もそうなりたい」と思う人が増えているんじゃないでしょうか。
鉄崎:Z世代は特にそんな感じかな?
岩上:う〜ん、Z世代はデジタルネイディブと言われ、気軽に多くの情報に接することができて、情報に敏感な学生ほど「自分の価値観と企業が持つ価値観が合っているか?」が就職先の決め手になる傾向があります。
鉄崎:お金は...気にしない訳ではないけど、二の次なのかね。
岩上:そういう人が若い人で特に多くなっているなと思います。ちなみに鉄崎さん、楽しく働いていますか?
鉄崎:僕はおかげさまで楽しく仕事をさせていただいていますね〜。仕事が楽しいって言えるのってものすごく幸せでありがたいことだからね。
オープンカンパニーに参加するメリット
鉄崎:では、2026年度卒業の学生さんが就活を始めるのに、今はどんな時期なんですか。岩上:今の大学3年性にとって1〜3月は一般的には合同企業説明会に参加したり、企業が個別に開催する説明会、冬のインターンシップやオープンカンパニーに参加して、志望する業界を定めて、選考を受けたい企業を決めていくフェーズ(時期)になります。
一方で、「就活の早期化」という現象も発生していて、現時点で早期選考を行っている企業が一部あり、すでに内定を得ている学生もいます。ただ、静岡県内の大学3年生で今の時点で内定を持っている学生は少数派で、就活はこれから本格的に行おうと思っている学生が多いのです。
鉄崎:オープンカンパニーはどんなことをするんですか。
岩上:2023年度に文科省・厚労省・経産省の3省がインターンシップとは何かを定義付けました。そして、1日程度のプログラムはオープンカンパニーと呼ばれるようになりました。職業体験を含む5日間以上の体験プログラムをインターンシップと呼んでいます。
鉄崎:なるほど。その違いがあるのか。
堀:こないだ「WASABI」のスタジオを大学生が見学していたのもオープンカンパニーだったんだ〜。
こういったインターンシップやオープンカンパニーって行くのが普通って感じですか?それとも行くべきものですか?
岩上:「必ず行かねばならない」ということはないですし、「行かないと内定を得られない」というものでもないです。情報収集の一つの手段として行くと、その後の就職活動が有意義なものになるのは間違いないかなと思います。
堀:私の友人はインターンシップでそのまま就職が決まった子もいましたし、意識が高い子が参加しているので、そこで友達を作り就活情報を共有したり就活仲間ができたりとかしていたので「いいなぁ」と思っていました。
インターシップで気をつけること
鉄崎:インターンシップでの取り組み姿勢として気をつけることはありますか。岩上:インターンシップは学生と企業の“お見合いの場”だと私は思っています。各企業が工夫を凝らしてプログラムを提供しているので、ぜひ楽しみながら参加してほしいです。複数社行く人は、プログラムの違いに注目してみるのもいいと思います。
お見合いなので気をつけたいのは「行動や考え」を見られているということです。企業によって異なりますが、その年の学生全体の傾向をインターンシップで見て、その後の選考の参考にすることや、早期選考を行う企業は学生個人を見て、一緒に仕事をしたいかを見ていることもあります。ただ、こう聞くと「怖いなぁ」と思うかもしれませんが、同時にこの考え方もぜひ持ってほしいんです。それは、学生の皆さんだって「その企業で働く社会人の行動や考え」をしっかり見てほしいです。この企業や職場は「自分が働いてみたいと思えるのかどうか」が大事だと思います。
政府が提言する就活スケジュールは?
堀:インターンシップ後の就活のスケジュールはどんな感じになってきますか。岩上:政府が提言する就活ルールだと、募集要項に関する広報活動開始は3月1日以降、採用の選考活動開始は6月1日以降、正式な内定は10月1日以降となっています。
最近だと、2月中旬あたりに就活サイトでエントリーを開始し、4月あたりから実質の選考活動を開始するケースもあります。
鉄崎:エントリーは平均で何社くらいに出すものですか。
岩上:全国的な調査結果だと今年3月に卒業する大学4年生は平均で20〜25社にエントリーしています。
鉄崎:え!そんなに出すものなの?
岩上:ただ実際に選考に参加する社数は6〜10社と回答する学生が多いです。静岡県内の学生だとこれと同数か少し少ないです。社数が多すぎると、頭が混乱したり企業分析も中途半端になります。逆に少なすぎると仮に内定を得られなかった場合のリカバリーが必要になるので、自分が選考に参加したいと思う企業を複数社考えておき、それより少し背伸びした数ぐらいがちょうど良いと思います。
企業が求めるのはどんな人材?
鉄崎:業種にもよると思いますが、企業はどんな人材を欲しがっていますか。岩上:静岡県内の企業の採用担当者さんから、よく聞くのが「コミュニケーション能力」がある学生に来てほしいとのことです。
一言でコミュニケーションといっても分かりにくいので「御社の求めるコミュニケーション能力ってどのようなものですか?」と突っ込んだ質問をよくするんですが、その回答を私なりにまとめると「相手の立場に立って考えられるか」ということです。「相手の立場を考えて話を聞くことができる」「相手の立場を考えて自分の意見を伝えられる」。この2点です。
鉄崎:僕もうちの息子が高校生ぐらいの時、就職の話になって「どんなことが大事なんだろう」と聞かれて「プレゼン力」と答えました。それがあるかないかで仕事は変わってくるぞ、と。
緊張してもOK!面接で大切なのは?
鉄崎:では、面接のコツを教えてください。岩上:多くの学生は面接で緊張すると思いますが、それで大丈夫です。緊張して言葉に詰まってしまうことがあっても面接官はあまり気にしていません。緊張を少しでも和らげるには、事前の準備をしっかりした方がいいです。「志望動機」や「その会社でやってみたい仕事」といった定番の質問は、必ず用意してください。
準備した内容を大学のキャリアセンターやキャリアコンサルタントに見てもらったり、AIを使ってブラッシュアップすることもできます。ただAIの言葉をそのまま話すとすぐ分かってしまうので「自分なりの言葉に置き換える」ことが大事です。
鉄崎:結婚式のスピーチと一緒や。上手に言うより自分の言葉で言うのが一番。だからウソや話を盛るのはだめですね。
堀:私も60社ほどエントリーシートを出して面接もたくさん受けましたが最終的には会話が重要でした。志望動機の丸暗記は自分が混乱するもとなので、要点を押さえてフランクに話ができることが一番大事だなと思いました。
岩上:少し見栄を張っても良いですが、その中でも飾らず、自分の言葉で本当のことを話せば、その思いは面接官に伝わります。
Webメディア「しずおか仕事図鑑」を活用!
堀:最後に、岩上さんからお知らせをお願いします。岩上:私たち静岡新聞社が運営している就職情報サイト「しずおか仕事図鑑」は、自分にあった仕事やキャリアを見つけるWebメディアです。「働く」ってどういうことなんだろう?お金を稼ぐこと?自分の夢を叶えること?など、この悩みは大学生の皆さんだけでなく、社会人になっても続く問いです。その答えが自分の「キャリア軸」になっていきます。それを見つけるサポートとして、皆さんより先輩の県内で働く人々の「価値観」や「仕事への思い」を第三者である静岡新聞社が取材して情報発信しています。ぜひ、会社・仕事・働くことのリアルと魅力を余すことなく伝えている「しずおか仕事図鑑」、公式インスタグラムを活用してください。
鉄崎・堀:岩上さん、ありがとうございました。
※2025年1月28日にSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で放送したものを編集しています。
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