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雨が続くと気分が落ち込む、やる気が出ない理由。メンタル不調を自力で回復させるには?

雨が続くと気分も落ち込んだり、なんとなくやる気が出なかったりする……という人も多いと思います。そんな時、どうしたらやる気を出せるのか、心理戦略コンサルタントの山本マサヤさんに、SBSアナウンサー原口大輝がお話をうかがいました。
※5月27日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

雨が続くとやる気が出ない理由

原口:雨が続くとどうも気分が落ち込む、その理由を教えて下さい。

山本:これは、季節性うつ(SAD)、季節性感情障害といわれているものです。原因はいろいろ考えられますが、一般的には次の2つが大きいといわれています。
 

1. 気圧の変化

雨が降ると、気圧の影響で自律神経が乱れます。そうすると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、眠れなかったり、リラックスできなかったりして、イライラが溜まってしまうんです。

2. 日照時間の減少

雨の影響で太陽の光が遮られると、日の光を浴びる時間が減ります。日照時間が減ると、体内ではセロトニンやドーパミンが減少してしまいます。セロトニンには心を落ち着かせたりストレスに対する効能、精神安定剤的な効果があったりするので、それが減ってしまうということは、ストレスや疲労感、向上心の低下、仕事への意欲低下、不眠などにつながると言われています。

原口:太陽を浴びることが、まず非常に大事だということなんですね。

山本:はい、日常的に浴びているのであまり意識していないかもしれませんが、実はすごく大事なことです。室内で働いている人は太陽を浴びにくいので、お昼はあえて外へ食べに行くなどもいいと思います。

雨が原因ではないメンタル不調との違いは?

原口:特に雨とは関係ないメンタル不調と、雨が原因のメンタル不調に違いはありますか?

山本:前者は有名なところで「五月病」があります。でも実は知られていないだけで、1年間を通して〇月病というのはほかにもあるんです。たとえば雨の多い時期の憂鬱と五月病の憂鬱の違いをわかりやすくいうと、五月病は人間関係や働く場所などの環境要因によって起こるメンタルの不調です。でも、雨が多い時期のものは、太陽や気圧などの自然環境要因によるメンタルの不調なので、同じ「環境」という意味でも影響を受ける元が異なるわけです。

例えば、鹿児島が梅雨に入り、憂鬱に感じる人が増えたという時期でも、梅雨のない北海道では特に普段通りだったという研究もあります。

原口:それは面白いですね! 梅雨の時期が不調になりやすいのは、五月病から続くからというイメージだったんですが、別物だったんですね。でも雨が降っていても、特に不調はないという人もいます。雨で体調やメンタルを崩しやすい人の傾向を教えてください。

梅雨時に体調やメンタルを崩しやすい人の傾向

山本:いくつか挙げていきますので、ぜひ、原口さんもチェックしてみてください。

1. 気圧の変化に敏感

山本:気圧の変化があると頭痛がするという人は、雨ではイライラしやすい、ストレスの影響を受けやすい傾向です。

原口:僕はこれはあまりないですね。

2. 日の光を浴びる時間が短い

山本:夜型の人やオフィス内でばかりで仕事している人が当てはまります。日照時間が1時間未満だったり、夜遅くまでテレビやスマホを見たり、ゲームをしたりしている人など。

原口:これはすごく当てはまります。まさに、夜遅くまでテレビやスマホを見たり、ゲームをしたりしています......。

3. 食事が偏っている

山本:ファストフードやコンビニ食などで、バランスのいい食事が摂れていない人は、鬱になりやすい傾向があります。最近体重が一気に増えたり減ったりした人も、憂鬱になる可能性が高い傾向にあるかもしれません。

原口:ダイエットして3キロ痩せたのはありますが、バランスは気にかけて食べています。

山本:それなら、大丈夫ですね。食事バランスが崩れて体重が増える減るのがまずいので。

4. 最近寝つきが悪い・起きるのがつらい

山本:セロトニンは睡眠の質に影響を与えるので、その影響が出ていると寝つきが悪いとか、起きるのがつらいとか出てきやすいです。

原口:僕の場合、寝つきが悪いのも起きるのがつらいのも慢性的な悩みです。これらのチェック項目で当てはまるところがあると、今後メンタル不調を起こす可能性があるということですよね。

先ほどのお話にもありましたが、気圧の変化、さらには太陽を浴びないことによる体調の変化と外的要因が多い中で、対処法はありますか?

メンタル不調を自力で回復させるには

セロトニンを増やす

山本:一つめは、セロトニンの量を増やしましょう。適度な運動や日光浴、バランスのいい食事が効果的です。室内にいる時間が多いのであれば、晴れた時には散歩するとか、窓を開けるでもいいので、日光を浴びるようにする。何時間も日光浴をしろというわけではありません。研究によると、30分程度で十分セロトニンが出ると分かっているので、それくらいの時間を散歩や窓際で過ごすくらいでもいいいと思います。

あとは、セロトニンを増やす効果のある食事、バナナ、大豆、アーモンドなどを取るのもいいと言われています。フットマッサージにもセロトニンを増やす効果があるので、リラックスする意味でもマッサージはいいと思います。

無理に元気を出さずに、ちょっとした気分転換をする

山本:最後に、今回は元気を出そうという内容ですが、無理に元気を出そうとするのもあまりよくないと思っています。逆にそれがプレッシャーになって余計につらくなったり、空回りしてしまうかもしれません。

ですのでやる気が出ないなら、仕事のやり方を変えてみる。例えばデスクワークが多い人であれば、人とコミュニケーションをとる頻度を増やしてみたり、普段話さない人と話してみたり、いつも行かない場所へ行ってみたりするとか。そういう気分転換をするのでもいいと思います。

原口:自分で元気がないと思ってしまうと悪循環に陥ってしまいます。日常にアクセントを加えることで、少しでもポジティブに持っていけたらということですよね。ですから、外的要因が非常に強いとお話を伺いましたが、少しでも日常をポジティブに迎えられるよう、ちょっとしたアクセントを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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免責事項
今回お話をうかがったのは……山本マサヤさん
心理学を使った企業コンサルタントとして活動。IQが世界の上位2%の高IQ者が所属するMENSAの会員。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』(ビジネス書グランプリ2020ノミネート、中国語&韓国語版発売)と『IQ150の心理戦略コンサルタントが教える秒速で人を操る心理話術 』がある。Twitter, Instagram, YouTubeで情報発信中。

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