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自分の機嫌を自分で取る?これって一体どういうこと?

自分の機嫌は自分で取る!

最近では気分が落ち込む前に、「自分の機嫌は自分で取る」という言葉も見かけますが、一体どういうことなんでしょうか? 心理戦略コンサルタントの山本マサヤさんにSBSアナウンサー原口大輝がお話をうかがいました。
※11月5日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
自分の機嫌は自分でとる
原口:山本さんは心理学の専門家として、人材育成やマーケティングに関する講演などを行っていらっしゃいます。また、日本大学大学院で消費者心理の研究をされています。2021年3月には「IQ150の心理戦略コンサルタントが教える~秒速で人を操る心理話術」を出版されています。冒頭でも出てきた「自分の機嫌は自分しかとれない」という言葉、最近ネットでも見かけますし、意味もわかるようなわからないような......という感じなんですが、心理学的にはどういうことなんでしょうか?

山本:最近話題になったのは、お笑い芸人のみやぞんさんが、過酷なロケの途中で何千段もある階段を登っているときに、自分を励ますために言った「幸せだな。もっと登りたいな。まだまだ登れる幸せ。自分の機嫌は自分でとって、人にとってもらおうとしない!」という言葉が多くの人の好感を得て広がったみたいですね。きついロケの疲れやストレスを、周りのスタッフに発散するわけでなく、誰かからの応援を期待するのでもなく、きつい状況に前向きに乗り越えられるよう「自分の機嫌を取る」と!

もう少しかみ砕くと、ここでいう「機嫌」とは、「不機嫌」つまり「ストレス」のことで、ツラい・イライラ・劣等感を感じている状態です。それを自分で解消するということなので、ストレスをゼロにするか、マイナスの感情をプラスに変えるという意味です。「ストレスを自分で解消する」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。

この反対の言葉が「ストレスを人に解消してもらう」というもの。方法としては八つ当たりですね。人に愚痴を言ったり、攻撃したり、支配したり、自慢して優越感を感じたりすることをいいます。これ、まわりにいる人を不幸にしていくので、どんどん孤独になるという負のサイクルに入りますし、結果的に自分も不幸になってしまいます。

みやぞんさんの場合は、能天気というわけではなく、ちゃんとツラさを感じているんだと思います。感情のままに行動するわけではなく、マイナスの感情をプラスにするポジティブシンキングをしているんだと思うんです。

楽観主義とは違う、「ポジティブシンキング」とは?

山本:例えば原口さんが、大好きな飲み物を一気に半分飲んでしまった場合、それをどういう風に感じますか?

原口:もう半分しかないのかと思ってしまいます。

山本:ここで大切なのは現実がどうかではなく、現実をどう捉えるか。捉え方次第でよくも悪くもなってくるんです。人間は「ネガティブバイアス」という、物事のポジティブな面よりもネガティブな面に注意をむけてしまう傾向があるので、多くの人が「もう、半分しかない」と思ってしまいます。

逆のポジティブというのは、「なるようになるさ~」のような楽観主義ということではありません。ポジティブは前向きと言う意味で、問題にぶつかってもそれを解決できる問題だと前向きに向き合っている状態だったり、物事のネガティブな面よりもポジティブな面をみようとする考え方です。

なので、感情がポジティブかというよりも、問題自体をポジティブに捉えるという表現の方が正解かもしれません。私もポジティブシンキングが好きで日常的に使っています。何か問題にぶつかってもすぐに感情的になるわけではなく、「どうやったら解決できるだろう?」と考える習慣を持っています。これができていると、イライラや孤独を感じるなどのネガティブなストレスを推進力に変えることができます。

原口:普段からネガティブに考えてしまいがちな人は、ポジティブに考えることを習慣化することが大事なんですね。そもそも、人間の機嫌がよくなったり悪くなったりするのはどこから来ているんですか?

山本:こういう説明のとき、心を風船に例える場合が多いです。例えば日常生活や仕事を通して受けるストレスがあると、空気の入っていない風船に、空気が入っていくイメージを持ってみてください。最初は風船のゴムに余裕があります。これが心の余裕です。「息抜き」ができないと、どんどん空気が入っていって風船がパツパツになって苦しくなりますよね。そうすると、余裕がなくなっていって、些細なことでも心の風船が爆発して怒ってしまったりするんです。

例えば、職場で同じミスをした人が2人いて、Aさんは怒られなかったけど、そのあとに報告にいったBさんは怒られた。これはパワハラですが、心の風船の余裕の有無によって起きる場合が多いです。機嫌がよくなったり悪くなったりするのは、この心の風船の余裕が影響してきます。日頃から機嫌が悪い人は、心の風船の息抜きができていなかったり、他の人よりも敏感にストレスという空気を心の風船の中に取り込んでしまっている可能性があります。

原口:ポジティブに考えることによって、心の風船の空気の息抜きや空気が入ることを防ぐことにつながっていくんですね。

季節の変わり目というと、代表的になものに「五月病」があります。この秋の季節の変わり目も、体調を崩したり気分がすぐれない人って増えているんでしょうか?

山本:「五月病」は5月だから気分が優れないわけではなく、季節の変わり目、環境の変わり目で気分が優れなくなったり、季節変化に馴染めない場合が多くなるというもの。なので、肌寒くなってくる11月も気分が優れなくなる人は増えてくる可能性があります。

新型コロナウイルスの影響でリモートが増え、人との繋がりが例年よりも薄くなってしまっているので、余計に孤独を感じるなど、心のバランスを崩しやすくなっているのではないでしょうか。

「自分の機嫌を自分で取る」ために実践すべきことは?

山本:自分の機嫌を自分で取るのは、自分の人生を幸せにする重要なポイントです。そのための方法を2つご紹介します。

1. 心の手綱を握る

イヤなこと、理不尽なこと、悲しいことなど自分を不機嫌にさせることが起きても、すぐに感情的に行動をしない。不機嫌な感情は、約6秒ほどで落ち着くといわれています。

もしも、不機嫌にさせることが起きても、「なんでこんな気持ちになるんだろう?」「どうしたら解決できるんだろう?」と考えてみてください。実際に答えを出せたらいいのですが、出せなくても、感情的に心が反応しようとしているのを、脳を働かせて理性で抑える効果があります。

ただ、いつでもポジティブシンキングを持ってほしいわけではありません。ときには、不機嫌と向き合うのではなく逃げるのも大事なんです。自分がそのストレスに立ち向かえる、ポジティブシンキングできるかどうかは、口に出してみるとわかりやすいです。

例えば、「落ち込んでる場合じゃない」とみやぞんさん的にいうのか、「落ち込んでも仕方ない」というのか、両方を口に出していってみて、心がワクワクしたり安心する行動を選択してみてください。ただし注意点があって、まわりの人に不機嫌を解消してもらうような行動を選択してはいけません!

2. 発散方法を持つ

山本:ランニングする、歌を歌う、お笑いを見る、ゲームをするなど、心の風船に溜まったストレスの空気を抜く「息抜き」の方法を持ってください。これは人それぞれ相性があるので、一概にどれがいいのか言いにくいですが、ランニングやマインドフルネスが有効だといわれています。自分で機嫌をリセットしたり、余裕を取り戻す方法を持ってください。

原口:仕事と私生活をバランスをもって過ごすことが非常に大事になるんですね! 山本さん、ありがとうございました!
 
今回お話をうかがったのは……山本マサヤさん
心理学を使った企業コンサルタントとして活動。IQが世界の上位2%の高IQ者が所属するMENSAの会員。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』(ビジネス書グランプリ2020ノミネート、中国語&韓国語版発売)と『IQ150の心理戦略コンサルタントが教える秒速で人を操る心理話術 』がある。Twitter, Instagram, YouTubeで情報発信中。

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