ジュビロ磐田は8月10日、アウェーでいわきFCと対戦します。2位ジェフユナイテッド千葉から8位の磐田まで、勝ち点差4の中に7チームがひしめき合っています。8月16日には首位の水戸ホーリーホック戦も控えており、生き残りへの正念場となる敵地2連戦に向けて、ジョン・ハッチンソン監督に話を聞きました。
ジョン・ハッチンソン監督
-ブラウブリッツ秋田戦はホームで1−4と散々な結果でしたが、上位陣との差はそれほど開きませんでした。そこだけがポジティブだと思います。昇格圏まで4ポイント差というところのみがポジティブだと思うんですが、シーズン開幕当初からずっと言ってるように、J2はどこが相手でも非常に難しい試合になるというのは毎週感じていることです。ただ今は本当に自分自身が敵というか、目を向けるべきは自分たちだと思っています。
今4ポイント差のところにいますけど、本来のポジションであれば首位にいたり、もっともっと勝ち点を詰めるべきだとは思っています。先週末に関しては本当にパフォーマンスが良くなかった。
ただその中でもしっかりと改善しなければいけないエリアというのを特定して、特にセットプレーですけど、コーチ陣と攻守ともにどういうストラクチャー(基盤)がいいのかというところを改めて見直しています。
ただセットプレーだけじゃなくて、パフォーマンス全体がよくなかった。直近までよくやれていたことができなかったというところが最も残念でした。
-あなたは負けた後に「腹立たしい」という言葉を使うことがよくあるが。
選手と話すときはいつもWE=自分たちという言い方をしていて、選手だけではない。まず私自身のチームであるので、選手に求めたことをやってくれているかどうかというところもありますけど、スタッフ、選手、クラブ、そして私というところに対してどうできたかというところを見ています。
がっかりした、腹立たしいというところでは、まずは自分自身の反省をしています。そのメンバー選考は適切だったのか、戦術はどうだったのか、交代はどうだったのかというところ。
ただ先週に関しては、その答えはノーであると思います。セットプレーもちゃんとできなかったし、そういった責任は全部自分の肩にのしかかってきますけど、求めたことを選手が実行してくれているかどうか、そしてそれをどんどん強化していかなければいけない。そこをまずしっかりと取り組んでいかなければいけないなと思っています。

-秋田戦はロングスローと見せかけてクイックスローからクロスを入れられて失点した場面もあった。
戦術の問題でもないですし、問題でもあるのかなと。戦術的なことではストラクチャー、準備の配置のところだと思いますし、例えばそれも相当時間がかかっていたので、十分準備する時間はあったと思います。
ただクロスもフリーで上げられてはいけないし、我々はペナ内で守る原則があるんですけど、それがやれていなかった。またWE=我々というところに戻ってくるんですが、まずはスタッフがフリーでクロスを上げられない、また選手もしっかりペナ内でクリアできるような原則でやっていけるように、オーガナイズをスタッフの中で整理しているところです。
スタッツを見ると、セットプレーに関してはJ2で最悪の数値が出ているので、それは去年からも引き続きではあるので、改善していかなければいけない。まずはスタッフの中でしっかり修正できるようにしています。
でも秋田戦のようなことを繰り返してはいけないと思っていて、相手はセットプレー以外にはチャンスは4つぐらいしかなかった。その4つもウチのミスから2つで、切り替えの局面から2つ。
前がかりになったところと、カウンターからの2つだったので、それ以外も全部セットプレーなので、しっかりとそこはスタッフの中でより良い分析のプロセスだったり、準備のプロセス、進め方、例えばシステムだったりルーティンというところを改善していこうと取り組んでいるところです。

-秋田の時間のかけ方に対し、磐田の選手がフラストレーションを抱えていたようだが。
もちろんフラストレーションもあると思います。ただ選手に言っているのはセットプレーもあるし、そういうゲーム時間を遅らせてくるようなチームもあるし、ファウルで止めてくるチームもある。だからこそコントロールできないこともあるよっていうことを理解してもらってはいるはずなんですけど、自分に矢印を向けるということも大事ではあるんですが、そこの感情のコントロールというのを…。
立ち上がりの20分ぐらいまでは非常によかったので、そこから感情のコントロールを失ったのか、試合をフイにしたなと思っています。
これはスタッフにも言えることで、いかに選手をサポートしていくかというところもスタッフに求められていると思います。100パーセント選手のせいでもないと思っていて、求めていることをやろうとしてくれてもいます。
だからこそこの前(試合後)僕もファンの前に行ったんですけど、選手だけがファンからの怒りを受けるのも違うと思いますし、もちろん試合中はファンの皆さんは100パーセント選手を後押ししてくださっているので、その分終わったら感情表現していいと思っています。自分のチームだし、自分の責任であるからこそ、選手だけの責任じゃない。だからこそそういう行動には出たんですが、しっかりとこの後修正して、シーズンが終わるところまでしっかり戦い続けることが大事かなと思っています。
-セットプレーの練習について。
今週はしっかりやろうと思っています。先週も十分やっていましたが、試合を見る限りやれていないと思うので、今週から分析のところやミーティングであったり、選手の役割、責任をより明確にしていくというところ。ここはどんどん改善しなければいけないと思っています。
というのも傾向として間違いなく自分たちの足を引っ張っているものになっているので、クラブとしても改善しなければいけないというところでスタッフもやっているので。
同時に選手もこの重要性を理解しなければいけない、攻守ともに。例えばブロックだったり、ゾーンだったり、マンツーの選手だったり、自分の役割をしっかりと理解して、それを実行に移さなければいけないと思います。

-グスタボ選手をどのポジションで起用していくか。
試合にもよるかなと思っています。どこにはまっていくかというところ、試合の展開にもよるんですが、例えば先週に関してはインサイド2人、こういった形になるので、それもより彼の自由度だったり、またスペースの兼ね合いでそこに置きました。
ただまだ100パーセントの試合に出られるコンディションでもないと思っているので、どんどん上げていくところではあるんですが、彼自身のベストはウイングで、これまでずっとウイングでやっていたので、そこを見ながら彼自身もこのフットボールのスタイルであれば、トップ下で十分脅威を与えられることも理解しているので、相手と自分たちのチーム次第で2つのところで回そうと思っています。
ただ間違いなくこの前の試合では、ベンチから出てきた選手の中で最も違いをもたらしてくれた選手だと思っています。
-外国人枠の競争が激しくなっている。
正直に言うと考えてはなかったです。本当に難しい判断にはなるなと思っています。この5人の中から4人選ぶ。ただ言えるのは外国人だけじゃなくて日本人選手を外すのも自分の中で難しい判断をしています。
例えば先週のフィールドであれば、勇樹(相田選手)とエビ(上夷選手)が外れる必要があって、本当にいいパフォーマンスをしながら外さなければいけないという難しい判断です。監督としてこの11人を選ぶ、サブを選ぶ、そして外れる選手を選ぶというのは日本人外国人関係なく難しいなと思っています。
今週に関してはトレーニングの様子を見ながら、いわき戦をどういう構成でいくかということを考えた上で、誰かを外さなければいけない。ただ外れたとしてもそれはパフォーマンスではなく、ルールとしてやらなければいけないというところを理解してもらいたいと思います。

-8月5日の練習後、主将と副主将を集めてミーティングをしていたが。
俺たちで一緒にやっていくんだぞというところの再確認です。常に俺は背中から支えているぞっていうところ。というのも僕自身チームであったり選手に対して信念が揺らいだわけではない。もちろんここをしっかりと修正できれば、本当に特別なことを成し遂げられると信じているので、サッカーってそのためにもやっているところはあるので。
俺はここにいるぞ、一緒にやっていこうというところ。あと他の選手の集中力をトレーニングの中でもより促してくれということは話しました。
というのもこのリーダーシップグループというのはコーチが選んだわけではなく、選手の中から選ばれた。今シーズン、選手のグループを引っ張ってくれと信頼された選手が選ばれているわけで、選手から信任を得たというのは特権であり誇りだと思っているので、そこをしっかりと改めて確認しながら。
僕のポジションと、リーダーシップグループのポジションから改めてチームを一緒にプッシュしていこうという再確認です。
-いわき戦のポイントは。
まずここまでセットプレーを多く話したので、そこは最優先になりますけど、2つ目は自分たちのフットボールをいかに伸ばしていくかです。秋田戦はミドルサード、ボール保持のミドルサードの部分が良くなく、相手のことも崩せずゴールへの脅威を作れなかったので、そこを改善していくことかなと思います。