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5点の自分もさらけ出す!稼げてないけどこれがリアル!?/ポッドキャスト「ゲイと女の5点ラジオ」パーソナリティインタビュー

しょうちゃんとヴァジャさんの二人がパーソナリティを務めるポッドキャスト番組「ゲイと女の5点ラジオ」。「5点の私も愛していこう」というコンセプトのもと、二人の等身大の言葉が共感を呼んでいます。リスナーでもある筆者が、しょうちゃん、ヴァジャさんを迎え5点ラジオの魅力に迫るインタビュー、後編です。

前編はこちら>>>ポッドキャスト「ゲイと女の5点ラジオ」 パーソナリティインタビュー!二人が目指すゲイバーの空気感とは

左から:ヴァジャさん、しょうちゃん。5点フレンズから贈られたうちわを持ち笑顔を浮かべる

5点ラジオ3つのルール

ー霊感商法も自己啓発も、リスナーとしては笑っていいのかなって気持ちも湧いてくるんですけど、本人が明るく話しているからいいのかなって思うんですよね。
 

しょうちゃん:笑っていいのかなという遠慮って色々な所にあるじゃないですか。前、NHKで障害者の人たちのバラエティ番組を放送してて。「脳性麻痺50メートル走」という企画で、みんな一生懸命走るんだけど誰もゴールできずに終わってしまって。

ヴァジャさん:でもその人達はそれを笑ってほしいってことだもんね。

しょうちゃん:そうなの。でも、すごい攻めた企画だなって。いま何をやっても炎上してしまうから。

ヴァジャさん:私達もそこを狙いたいよね。

しょうちゃん:そう。関係ない人たちが「それは良くない」とかいくらでも言えると思うんですけど、なんせ当事者だから、これは私の経験です、だから私が話したいように話しますっていう、その意志は強いですよね。

ヴァジャさん:確かに。私の離婚の話もしょうちゃんのゲイの話も。

ヴァジャさん:一般的にかわいそうって見られるじゃないですか。霊感商法でお金騙し取られた人もそうだし、離婚した女、結婚してない女、ゲイの人…。なんとなくかわいそうだから私達が助けてあげなきゃみたいに思われる傾向があると思うんですよね。ただ、特別視してくるのが逆におかしいと思っていて。そんなに悲しくない、困ってない人もいるよって示してもいいのかなって。

しょうちゃん:塩梅は難しいけどね。困ってる人のことを救いたくないわけではなくて。自分は自己啓発セミナーにはまってた時、ゲイであることで全然悩んではなかったけど、他のことでとても苦労していたし。でもそれってセクシュアリティと関係なく個別の問題だから。うちらがうちらなりの真実を伝えられたらなと。
 

ー本当にさらけ出してますよね。ちょっとよく見せようとする気持ちとかはないですか
 

ヴァジャさん:私達そこが皆無なの(笑)。

しょうちゃん:そういう気持ちを出したらだめっていうのをルールとして徹底してる。

ヴァジャさん:絶対に綺麗事を言わない、モテようとしない、よくみせようとしない。

夢はポッドキャストでご飯を食べられるようになること

7月にはイベント「夏の5点祭り」を開催。しょうちゃんのアイドルデビュー曲も披露されました。10月からはニッポン放送でラジオも放送開始。

イベント「夏の5点祭り」の様子。しょうちゃんがデビュー曲もお披露目された=2023年7 月15日(公式note「ゲイと女の5点マガジン」より)

ーはたから見ると、お二人は階段を駆け上がってるなっていうような気がするんですが
 

しょうちゃん:全然駆け上がってないよね。今思ったのは、階段を駆け上がってるっていうのが「だまし絵」みたいなものだなって。

ヴァジャさん:そうそう。私達は何枚売れたとか、いくらで作ったとか、全部知ってるじゃないですか。そう思うと何にも駆け上がってないんです。一見CDが出来上がって写真やライブ映像を見ると、すごいと思ってくださると思うんですけど、成功体験にはなってない。ニッポン放送さんにお声がけいただいて、私自身はラジオが好きだったので嬉しかったです。でも、ラジオパーソナリティーになれると思ってなかったから、夢とも思ってなかった。

ヴァジャさん:そう、私達、まだ収入が追いついてないんです!

しょうちゃん:そうそれ!確かに自分達は頑張ってると思います。ポッドキャストを始める前からの仕事もやってるし。休みなく働いて、皆さんからも称賛の声をいただくのに対しての収入の見合ってなさが、「夢を叶えてた」って言葉への違和感だと思います。ポッドキャスト1本で食べていけるようになったら、夢がかなったって思えるんじゃないかな。

ヴァジャさん:始める前にそれは決めていました。私は転職活動のつもりでやっていたし、ポッドキャストでご飯を食べて行けるようになるっていうのが、もしかしたら、本当の2人の夢なので、静岡のね、企業の方ぜひ!(ヴァジャさんはこっこが大好きだそうです)

ヴァジャさん:これ全然記事にならないんじゃないの?

しょうちゃん:確かに、ごめんなさい。でもこれがリアルなんです。

ヴァジャさん:ゲイバーでも喜んでくれて、スターになっちゃうね、変わっちゃうねって言われるんですよ。むしろポッドキャストが忙しくて本業の仕事量減らしてるくらいなので、もっと貧しくなってるんですよ。変われるほどお金がないんですよ!

ヴァジャさん:もし、こっこの企業が付いてくれたりしたら毎日宣伝したいですよね。毎日食べますしね。
 

ー番組冒頭の「生きることお疲れ様です」の挨拶に5点ラジオらしさがとても表れていると思います。
 

ヴァジャさん:私はフリーランスで働いていて、どうしても仕事の波があるんですよね。SNSでは同業者が立派な仕事アピールして。それを見ると情けない気持ちも焦る気持ちもムカつく気持ちもあるんですけど、絶対みんな「おつかれさまです」って言ってくるんですよ。私は暇で5日くらい家にいて全然疲れてないのに。無職の人が冒頭の挨拶で「お疲れ様」って言われたら、多分私と同じようにムカつくんじゃないかなって話をしょうちゃんとしていて。


しょうちゃん:そう。生きることくらいはみんなやってるよねってことで「生きることお疲れ様です」っていう挨拶ができたんです。綺麗事ばっかりじゃないですか世の中。綺麗事じゃないことをね、言っていきたいです。だから今日も、全然稼げてませんとか夢もちっとも叶ってませんとか言えてよかったです。


最後まで飾らず、カッコつけず正直にお話くださったしょうちゃん、ヴァジャさん。この正直さが、多くのリスナーを惹きつけている要因ではないでしょうか。ちゃんとした記事になりますか?という心遣いを最後までいただきました。リスナーとしてはお二人が長く番組を続けられるよう、この記事が一人でも多くの企業の方の目に留まるよう願いを込めています。

【ゲイと女の5点ラジオ】銀座のゲイバーの店員とお客さんとして知り合った、「しょうちゃん」と「ヴァジャさん」が2021年に始めたポッドキャスト。2022年に第3回 JAPAN PODCAST AWARDSベストパーソナリティ賞を受賞。10月から毎週土曜日午後8〜9時、ニッポン放送「しょうちゃんとヴァジャのBAR GOTEN」に出演中。イベントやポッドキャスト番組のプロデュース等でも活躍中。

文:FUJIYAMA BRIDGE LAB 石岡美来

静岡新聞SBS有志による、”完全個人発信型コンテンツ”。既存の新聞・テレビ・ラジオでは報道しないネタから、偏愛する◯◯の話まで、ノンジャンルで取り上げます。読んでおくと、いつか何かの役に立つ……かも、しれません。お暇つぶしにどうぞ!

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