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責任感の強い人は要注意!環境変化のある時期に注意したい、メンタル不調

責任感が強い、真面目、人の目を気にしすぎる人は要注意!

「春」は環境変化の大きい季節。 環境が変わるときに注意しておきたいのが、メンタル面の不調です。今回は、年度始めのメンタル不調を防ぐためのポイントを、心理戦略コンサルタントの山本マサヤさんに、SBSアナウンサー原口大輝が教えていただきました。
※4月1日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

原口:新年度ということで、環境が変わるという人も多いと思います。5月が近づくと「五月病」もありますし、やはりこの時期にメンタル不調になる人は多いのでしょうか?

山本:はい、そもそも5月病というのは、5月だから発症するのではなく、環境の変化などによる不安や緊張などの要因が大きいです。

原口:その変化が見られるのが、5月というだけの話なんですね。

山本:そうですね、この時期は関わる人もこれまでとは変わるので、人間関係のストレスが多くなる時期なんです。そういうストレスが積み重なって、気持ちが疲れてしまい発症する場合が多いです。

原口:変化の多い時期は精神面でも疲れますし、エネルギーが必要になりますよね。こういう人が不調になりやすいなどの傾向はありますか?

山本:2種類、そうなりやすいタイプがあると思っています。

責任感の強い人・真面目な人

山本:「与えられた仕事はちゃんと自分でやる!」という責任感が強すぎると、誰かに頼ることができず、多くのことを抱えてしまい、最終的に追い詰められていって気持ちが病んでしまうんです。

原口:心の逃げ道を確保しておくのは大事なんですね。

山本:そうですね。ときにはいい意味で、不真面目なことも大事かなと思います。

人の目を気にする人

山本:人の目を気にするのは悪いことではないのですが、気にしすぎる人は、周りに期待されている自分であろうとするんです。それだと、毎日自分を偽って生活するようになります。そうすると、精神的体力がけっこう必要になるんです。例えば、病院の看護師さんが患者さんから理不尽な扱いをされても笑顔で対応しないといけないなど、感情を偽った労働を「感情労働」というのですが、こういう仕事はストレスを抱えやすいといわれています。

あと、もうひとつ興味深い話があって、「寝坊が増えてくると、その人は人間関係に問題を抱えているかもしれない」という説があるんです。人間関係にストレスを抱えはじめると、睡眠の質がガクッと下がってしまい、結果的に朝起きるのがしんどくて寝坊が増えてくるそうです。周りにそういう人がいたら、気にかけてあげるのも重要かもしれません。

原口:なんとなくイメージは湧くのですが、学校に行きたくないから寝坊するわけではなく、実際に睡眠の質にも影響しているんですね。

山本:そうですね。なりやすい人の傾向と合わせると面白いかもしれません。日ごろから責任感のある人や真面目な人がなぜか寝坊するのは、精神的な問題があるかもしれない。そう組み合わせると分かりやすいかもしれません。

原口:予兆や前兆を周囲がしっかり気遣ってあげることも大事なんですね。不調になる前にどんなことをしておけばいいですか?

メンタル不調を予防するために試してほしいこと

1. 有酸素運動

山本:有酸素運動は心の不調をリフレッシュするのに有効です。アメリカのプリンストン大学の研究では、運動によって脳のストレス反応や不安が軽減されることが確認されています。最近はリモートワークが増え、座りっぱなしの場合が多いので、運動する機会が減っているんです。それで、うつになるリスクが上がるんじゃないかと、ちょっと心配しています。気温も上がってきたので、運動を始めるにはいい季節なのではないでしょうか。

原口:外に出て走るというような運動もですが、自粛続きで外に出ない生活になっていて、最低限の運動行為すらできていない人も多いと考えられますよね。

山本:そもそも、実は通勤がいい運動だった可能性もあって、それをしなくなるのはけっこうリスクかもしれませんね。

原口:通勤しない人や普段あまり運動をしていない人は、有酸素運動も“運動”の言葉に少しハードルを感じてしまうかもしれないですが、おすすめのものなどありますか?

山本:例えば、エスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使うところから始めるといいかもしれません。習慣を変えたり、新しいことを始めるのは、精神的ハードルがけっこう高いんです。例えば、普段本を読まない人が「今日から週1冊本を読もう!」と思っても、最初の週はできるんですが、2週目からできなくなるのは、日常の延長線になかった習慣だからなんです。なので、通勤やゴミ出し、買い物などの行き帰りは階段を使うようにすると、そこそこいい有酸素運動の習慣になっていくかもしれません。

原口:日常の延長でのちょっとした運動を心がけていけば、習慣になっていって、ちょっとランニングをやってみようかなと切り替わっていくかもしれませんね。

山本:できることからコツコツ始めることが大事です。または、歩くときに少し早歩きするなども効果的です。

原口:他にもおすすめの対策方法などありますか?

2. 日記を書く

山本:心の不調というのは、気づきにくいものです。なので、週1回、スマホでもいいので、自分が感じていることを吐き出す日記を書いてみるといいかもしれません。僕も「毎日日記」というのをやっていて、思ったことや感じたことをずっと書いている日記があります。これは、自分でも効果があるなと思っています。

原口:実際に文字に起こすことによって、心が整理できるところもありますよね。

3. 友達と話す

山本:あともうひとつ、友達と話すのはすごく大事です。やっぱり、辛いことを相談できる友達が大事かなと思います。そのときに抱えているストレスを「攻撃性の置き換え」としてストレスを友達に発散するのではなく、共感してもらうような相談方法をしないと、向こうの心が離れていってしまいます。自分が思っている気持ちを分かってもらえるよう、言語化する意味での相談をすることが大事です。

原口:人に話して、自分の言葉でしっかり整理した上で共感してもらうのは、非常に大事なことだと思います。年度始めはいろいろ気持ちの変化の多い時期ですが、自分自身の変化に気づくことはもちろん、まわりの変化にも気づいてあげることが非常に大切です。みんなで対処できる世の中にしていきたいと思います。ありがとうございました。

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免責事項
今回お話をうかがったのは……山本マサヤさん
心理学を使った企業コンサルタントとして活動。IQが世界の上位2%の高IQ者が所属するMENSAの会員。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』(ビジネス書グランプリ2020ノミネート、中国語&韓国語版発売)と『IQ150の心理戦略コンサルタントが教える秒速で人を操る心理話術 』がある。Twitter, Instagram, YouTubeで情報発信中。

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