テーマ : 医療・健康

プレコンセプションケア普及を 将来の妊娠に向けた健康管理 静岡県内看護師ら、講習会開き情報発信

 女性やカップルを対象に将来の妊娠のための健康管理を促す「プレコンセプションケア」。生まれてくる子どもの健康にもつながるヘルスケアを広めようと、県内の看護師や専門医師が市民活動団体「プレコン倶楽部-将来の妊娠をサポートする会」を設立し、本年度から活動を始めた。静岡市内で一般向け講習会を開催し、プレコンセプションケアの重要性や妊娠、出産に関わる正しい知識を婦人科、泌尿器科、不妊治療の分野から情報を発信している。

プレコンセプションケアについて説明する沢野さおりさん=9月、静岡市葵区の番町市民活動センター
プレコンセプションケアについて説明する沢野さおりさん=9月、静岡市葵区の番町市民活動センター


 講習会は全4回で、これまでにプレコンセプションケア、適正体重・生活習慣をテーマにして開催してきた。9月には「妊娠の仕組み、卵子・精子について」と題した3回目を開き、同倶楽部代表で助産師の沢野さおりさんが妊娠や男女の身体、不妊症に関して説明した。女性に対して「生理がこない無月経や月経不順、生理痛が重いなどの月経異常も不妊につながるサイン。基礎体温を測ることで得られる情報もある。不安があれば婦人科を受診してほしい」とアドバイスした。
 沢野さんは総合病院に約20年勤務し、現在は不妊治療専門の俵IVFクリニック(同市駿河区)に在籍している。不妊症看護認定看護師、思春期保健相談士の資格も持つ。患者と関わる中で、妊娠や出産の知識が不足していると感じ、団体設立を企画した。「もう少し早い段階で正しい情報が提供できていればと思うことが少なくない。プレコンセプションケアの認知度はまだまだ低いので、年齢性別を問わず多くの方に知ってほしい」と力を込める。
 4回目の講習会は12月5日午前10~11時、同市葵区の番町市民活動センターで開く。産婦人科医の村林奈緒さん(浜松医科大生殖周産期医学講座特任准教授)がプレコンセプションケアで行う検査について解説する。参加無料。申し込みはプレコン倶楽部のメール<preconceptionclub@gmail.com>へ。
 (生活報道部・伊藤さくら)

 プレコンセプションケア 受胎、妊娠を意味する「コンセプション(Conception)」の前から行うヘルスケア。リスクのある妊娠や不妊が増加する中、女性やカップルが将来の生活や健康に向き合うことで、健やかな妊娠・出産につなげてもらう。国立成育医療研究センターは、心がけることをまとめた「プレコン・チェックシート」を男女別に公開。バランスの良い食事を取る、禁煙する、ワクチン接種をする、ライフプランを考える―などを男女共通で挙げている。

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