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心疾患の高リスク見逃し大幅減 新潟大、メタボ診断基準に修正案

 メタボリック症候群を診断する特定健康診査(メタボ健診)について、新潟大のチームは8日、ビッグデータを解析して、心血管疾患の高リスク者を高精度に検出できる診断基準の修正案を発表した。現行では近い将来心血管疾患を発症する女性の9割、男性の7割が見逃されていた。案では男女とも5割超の予測が可能になるという。

メタボ診断基準修正案の主な項目
メタボ診断基準修正案の主な項目

 メタボ健診は40~74歳が対象。腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上で、血圧、血糖、脂質のうち、二つ以上基準値を超える人をメタボと診断する。
 チームは2008~16年に健診を受けた18~74歳の約56万人の医療ビッグデータを分析。約5年間、虚血性心疾患や脳卒中の発症の有無を追跡し、将来発症する人を見分けるのに最適な基準値を算出した。
 案では、収縮期血圧(最高血圧)が男性130以上、女性120以上とし、空腹時血糖は男性100以上、女性90以上とするなど男女別に現行より厳しく設定。適用すると5年以内の発症者を検出する「感度」が男性は31%から56%、女性は9%から55%に上昇した。
 現在必須とされている腹囲を考慮しなくても、予測能力はほぼ同じだった。チームの曽根博仁・新潟大教授(代謝内分泌内科学)は「腹囲だけに注目せず、軽症でも複数のリスク因子の組み合わせが心血管疾患を引き起こすという基本の再認識が重要だ」と話した。

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