テーマ : 医療・健康

PFAS許容量、従来通り 人の摂取、食品安全委

 発がん性などが指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響を評価している内閣府の食品安全委員会が、人が1日に摂取する許容量として、これまで暫定目標値の検討で採用されたのと同じ水準を示す方向であることが25日、分かった。体重1キロ当たり20ナノグラム(ナノは10億分の1)で、26日に開く作業部会で詰めの議論をする。関係者が明らかにした。
 政府は、食品安全委の結論を踏まえ水道水などに含まれるPFAS濃度の暫定目標を見直す方針だが、数値は据え置きになる可能性がある。政府関係者は「規制は前進も後退もないだろう」との見方を示した。
 水道水や、河川など環境中の水の暫定目標値は、厚生労働省や環境省が1日の摂取許容量を基に算出している。現行は、多数の種類があるPFASのうちPFOAとPFOSの2物質合計で1リットル当たり50ナノグラム。
 飲み水の濃度については、米環境保護局(EPA)がPFOAとPFOSをそれぞれ1リットル当たり4ナノグラムと非常に低く規制する方針を示すなど、海外で基準を厳格化する国もある。日本でも濃度を下げるよう求める声が強まることも予想される。
 食品安全委は2023年1月、PFASを評価対象にすることを決めた。国内の専門家が既存の知見を基に、免疫や生殖・発生に対する毒性や発がん性などの評価を進めてきた。これまでの議論では、多くの項目で「人体への影響を及ぼす可能性は否定できないものの、証拠は不十分」「関連の有無を判断することは困難」といった指摘が出ていた。
 世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関は、PFOAを「発がん性がある」グループ、PFOSを「発がん性の可能性がある」グループに分類している。

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