テーマ : 医療・健康

患者、医師双方の時間短縮 大阪・河内長野市が遠隔診療実験

 住民の2割超が75歳以上という高齢化が進む大阪府河内長野市は、新型コロナウイルスの流行を受け、高齢者への遠隔診療に関する実証実験の報告書を19日までにまとめた。患者が待ち時間なく自宅で受診でき、医師の移動時間が短縮された一方で、機器の使いやすさなどに課題があり、市は改善に取り組む方針。

大阪府河内長野市役所で開かれた会議。高齢者への遠隔診療に関する実証実験の内容などが報告された=2月
大阪府河内長野市役所で開かれた会議。高齢者への遠隔診療に関する実証実験の内容などが報告された=2月

 実験は2023年8月から地元医師会などの協力で実施した。電子機器を使いオンラインで胸の音が聞ける遠隔聴診や、血圧などの管理ができる多機能搭載システムを市が医師会に貸与。看護師が市内の寝たきり患者などの自宅を訪問してタブレットを使い、医師との遠隔診療を行った。
 医師からは音声だけではなく、画面越しに患者の様子を見られるのはよいとの意見が出た。一方で通信状態が悪く音声と映像にずれが出て診察できないケースや、現地で撮影と同時に患者の服を脱がせるなどの介助が必要になることもあり、看護師の手が機器でふさがり診療に支障が出ることがあった。
 結果を受けて市は24年度の実証実験から、眼鏡のように装着して映像と音声のやりとりができる「スマートグラス」の導入を決めた。両手を空けられることに加え、看護師がスマートグラスを身に着けて患者と接することで、医師が対面で診察する状況をより忠実に再現できるという。

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