テーマ : 医療・健康

「ショック大きい」 地域住民から不安の声 引佐赤十字病院閉院へ

 引佐赤十字病院(浜松市浜名区引佐町)の来年3月での閉院発表から一夜明けた9日、住民の間には「町内では個人診療所も減っているだけにショックが大きい」と、今後の地域医療を心配する声が広がった。保健医療の関係者からは、慢性期を対象とする病床数が過剰な地域性から、99の病床全てが療養型の同病院の閉院の影響は限定的との見方が上がった。
 病院のある同町金指に住む山村行弘引佐地区自治会連合会長(65)は「近くに入院できる病院があるのは住民にとって安心できる部分だった。もう少し続けてほしかったが、建物が古くなり仕方ないとも感じている」と受け止めた。社会福祉士の野末あけみさん(同町)は「中山間地の診療所の方向性について考えていたさなかだった。驚いているし、不安な気持ち」と戸惑いを語った。
 県保健医療計画では、西部医療圏(浜松、湖西市)の2025年の慢性期の必要病床数は1449床。22年時点の病床数は1630床で過剰な状態だった。浜松市健康医療課の西崎公康課長は「地域の医療体制に大きな負荷はかからないと考えている。病院側は患者が困らないよう転院を進めてほしい」と求めた。
 同病院を運営する日本赤十字社は、患者への今後の対応について「診療内容に応じて適切な医療機関を紹介する」としている。

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