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若年がん患者、8割女性 小児・AYA世代調査

 国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは15日、小児や15~39歳の思春期・若年(AYA)世代のがん患者のデータを集計し、20~39歳の若年がんの約8割を女性が占めていたとの調査結果を公表した。特に乳がんや子宮頸がんが多く、4年前の初回調査と同じ傾向だった。

AYA世代のがんの内訳
AYA世代のがんの内訳

 多いがんの種類や患者の性別は、年齢によって傾向が異なっていた。両センターは、がん検診や子宮頸がんを防ぐヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種によって、乳がんや子宮頸がんを予防することが引き続き重要としている。
 2018~19年に全国のがん拠点病院など860施設で診断を受けた、小児とAYA世代の患者のうち、その施設で治療を始めた小児患者約4700人とAYA世代患者約5万8000人分のデータを分析。男女別では、14歳以下の小児で男児が54・5%とやや多かった一方、20歳以上の若年世代では女性が78・0%と多く、年齢が上がるにつれて女性の割合が多くなっていた。
 AYA世代で多かったがんの内訳は、女性では乳がん34・2%、子宮頸がん・子宮がん25・4%、男性では結腸・直腸がん28・1%、甲状腺がん14・4%だった。肉腫や上皮内がんは除いた。
 小児では白血病30・4%と脳腫瘍23・0%が半数を占め、男女ともに同様だった。AYA世代の内訳と大きく異なった。
 データは国立がん研究センターのウェブサイト「がん情報サービス」で公開。

 AYA世代のがん 思春期・若年世代に当たる15~39歳でかかるがんを指す。大人では頻度の低いがんや血液がんが多い小児がんと、大人でかかるがんの両方の種類があり、年代によって傾向が異なる。進学や就職と重なることから、通学や就労支援が求められるほか、後遺症などを長期的に見守る体制の整備や、治療終了後に子どもが持てる可能性を残す治療の提供が課題。

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