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テーマ : スポーツしずおか

⚽不屈の闘将 J2藤枝MYFC MF杉田真彦 右膝大けが越え完全復活へ 昇格あるのみ「壊れてもやる」【しずスポ】

J3松本との練習試合でシュートを放つ藤枝のMF杉田。試合感覚を取り戻しながら完全復活を目指す=2月上旬、鹿児島県の国分運動公園多目的グラウンド(写真部・坂本豊)
 昨季利き足の右膝に大けがを負ったJ2藤枝のMF杉田真彦主将(29)=静岡西高出=が完全復活を目指し、気力をみなぎらせている。3季連続でチームを束ねる闘将は全力プレーが身上。「今季で選手生命が終わってもいい。壊れてもやる」。若手中心のチームを戦う集団に変えようと、自ら先頭に立つ覚悟を決めている。

 「やってしまった」。昨年5月のアウェー山形戦、接触プレーで右膝前十字靱帯(じんたい)と内側側副靱帯を断裂。痛みと悔しさで泣きながら担架でピッチを後に。翌週には待ち焦がれていた清水との対戦が控えていたが、「切り替えるしかない」と手術に踏み切り半年間以上リハビリを続けてきた。
J2藤枝・杉田真彦選手
 今振り返ってつらかったのは自身のけがより、チームをけん引できないもどかしさ。昨季中盤、藤枝は8戦勝ちなし4連敗と残留争いがちらついた時期があったが、「試合を見ても、練習グラウンドに来ても、『けが人の自分が』とチームに対し意見するのをためらい苦しかった」。
 しかし、意を決して仲間に思いを伝え、須藤監督に選手側の考えを提示するとチームは再び上昇気流に。「自らが逆境でもチーム第一で、嫌われ役もでき頭が下がる。人間的にもプレー面でもキャプテンにふさわしい」。指揮官は復活途上の杉田に今季も主将を託した理由を説明する。
 雌伏の時を経て、持ち味の高い戦術眼と豊富な運動量はけが前よりワンランク上がった。今季は始動から全体練習をこなしながら練習試合で出場時間を延ばし、長崎との開幕戦も後半途中からピッチに入った。プレーの切れは戻りつつあり、「キュンキュンする動きはできている。後はなじませるだけ」と自信を示す。
 チームとして超攻撃的スタイルの進化に挑む中、中盤は昨季よりも流動的にポジションを変え、ボールをつなごうと試行錯誤が続く。「自分が“潤滑油”になる。誰かが汗をかいて動かないとパスを受けるスペースが空かない」。
 毎年元旦にその年の具体的な目標を紙に書き入れている。今年の目標は「『J1昇格』。これしかない。自分にも周りにも常に120%の力を出すよう求めていく」。悲願達成へ、熱きリーダーがチームを導く。
 (寺田拓馬)

 すぎたまさひこ 1995年6月16日生まれで静岡市駿河区出身。静岡西高から順大に進み、日本フットボールリーグ(JFL)ソニー仙台を経て2020年に当時J3の藤枝に加入した。22年のJ2昇格に貢献し、3季連続で主将を務める。170センチ、67キロ。運動量とスピードが特長で、シャドーストライカーとボランチをこなす。

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