あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : スポーツしずおか

世界フィギュア、坂本花織3連覇 56年ぶり史上8人目

 【モントリオール共同】フィギュアスケートの世界選手権第3日は22日、モントリオールで行われ、女子は23歳の坂本花織(シスメックス)が合計222・96点で1968年のペギー・フレミング(米国)以来、56年ぶり8人目の3連覇を果たした。全種目を通じて日本選手初の快挙。

女子で3連覇を果たした坂本花織のフリーの演技=モントリオール(共同)
女子で3連覇を果たした坂本花織のフリーの演技=モントリオール(共同)

 フリーはトップでショートプログラム(SP)4位から逆転した。通算3度の優勝は浅田真央に並び日本勢最多。
 今季の四大陸選手権を制した初出場の千葉百音は195・46点でSPから六つ上げて7位。グランプリ(GP)ファイナル3位の吉田陽菜(ともに木下アカデミー)は194・93点でSPと変わらず8位だった。日本は2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の予選を兼ねる25年世界選手権の出場枠で最大3を維持した。
 2位は212・16点のイザボー・レビト(米国)で、3位は金采衍(韓国)。
 アイスダンスのリズムダンス(RD)で小松原美里、小松原尊組(倉敷FSC)は66・92点で20位となり、上位20組による23日(日本時間24日)のフリーに進んだ。

緊張も強さ揺るがず  重圧から解き放たれた坂本は氷上で両拳を握り、感極まった。SP首位だった過去2大会と違い、3・69点差を4位から追う展開。「焦りとか緊張とかいろいろあった」と言うが、百戦錬磨の女王は強かった。
 新鋭レビトに10点以上の大差をつける鮮やかな逆転劇に「常に勝ち続ける難しさを感じた優勝。すごくうれしい」とトレードマークの笑顔が光った。
 底力を示したのはスタミナが問われるフリー後半だった。フリップ-トーループの連続3回転、2回転半-3回転-2回転のジャンプを決めて技術点トップ。緩急をつけた滑りで「ミステリアスな大人の女性」を演じ切り、表現面を評価する演技点も、ただ一人全3項目で9点台と圧倒した。
 敵なしに映る3連覇の背景には、生半可ではない努力がある。10代は無尽蔵だった体力も23歳になって低下。ジャンプの成功率を保つため昨夏から臀部(でんぶ)のトレーニングを週3回取り入れ、4分間のフリー終盤もぶれない下半身をつくり上げた。
 中野コーチから「(除外が続く)ロシア勢が戻ってきても勝てる選手に」とハッパをかけられ「もちろん勝ち続けたい。今のままじゃ駄目だということも分かっている」。半世紀以上閉ざされていた扉を開いてもなお、貪欲に理想を追い求める。

 ▽女子 ①坂本花織(シスメックス)222・96点(ショートプログラム73・29、フリー149・67)②レビト(米国)212・16点(73・73、138・43)③金采衍(韓国)203・59点(66・91、136・68)⑦千葉百音(木下アカデミー)195・46点(62・64、132・82)⑧吉田陽菜(木下アカデミー)194・93点(64・56、130・37)
 ▽アイスダンス・リズムダンス ①マディソン・チョック、エバン・ベーツ(米国)90・08点②ギニャール、ファブリ(イタリア)87・52点③ギレス、ポワリエ(カナダ)86・51点⑳小松原美里、小松原尊(倉敷FSC)66・92点

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

スポーツしずおかの記事一覧

他の追っかけを読む