村上さん日本人の活躍に感慨 大リーガー誕生６０年
米大リーグの今季公式戦は２０日にソウルで始まり、パドレスの先発ダルビッシュ有投手がドジャース相手に投じる一球で幕を開ける。日本選手の存在感が増している大リーグ。今年は村上雅則投手が１９６４年に日本勢第１号としてジャイアンツでデビューしてから６０年の節目になる。
「やっと還暦を迎えました」と５月に８０歳になる村上さんは冗談交じりに言う。プロ野球南海から野球留学中だった２０歳左腕の初登板は６４年９月１日のメッツ戦。当時は坂本九のヒット曲「上を向いて歩こう」の英語版「スキヤキ」が米国で流行しており、そのメロディーを口ずさみながらマウンドへ。１回無失点で初戦を飾った。
主に救援で翌６５年まで米国でプレーし、通算５勝１敗９セーブ、防御率３・４３の成績を残した。３０年後の９５年に野茂英雄投手がドジャース入りするまで、日本勢はメジャーの舞台と無縁だったが、以降は毎年のように太平洋を渡る選手が続出。これまでに約７０人が大リーグでプレーした。
大リーグでのプレー継続を希望しながら、諦めて帰国する形になった村上さん。南海復帰後は「（日本選手は）メジャーに上がってくれるな」との心境だったが、次第に「どんどん出てくれたらいいな」と思うようになった。「最高のところで悔いのない人生を」と後輩にメッセージを送る。
大谷翔平選手が１０年総額７億ドル（約１０４３億円）でドジャースと契約し、山本由伸投手も破格の条件で大リーグに移籍。日本選手が高評価を受け、米球界で主役になっている状況に、村上さんは「こんなになるとは思わなかった」と感慨を込める。「大谷には５０本塁打、３０盗塁、１００打点、打率３割を。あと、誰かサイ・ヤング賞（最優秀投手賞）を取ってほしい」と今季への期待を語った。
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