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テーマ : 新商品・新技術

三島産「種ショウガ」シロップに 市場流通しない“宝” 栄養価に注目

 三島市の「食薬ジャム専門店ソレイユ」(菊川美幸代表)が今秋、箱根西麓三島産のショウガを使ったシロップの製造、販売を始める。市場に流通しない葉ショウガの元となる種ショウガの栄養価の高さに注目し、原料としての価値を見いだした。製造は市内の障害者就労支援事業所に委託し、農家の販路拡大や障害者の雇用機会増への期待が高まる。

三島市産のショウガの品質の高さを広めたいと意気込む菊川代表(右から2人目)=三島市役所
三島市産のショウガの品質の高さを広めたいと意気込む菊川代表(右から2人目)=三島市役所

 同店が民間研究所に依頼した調査で、三島市産の種ショウガの抗酸化力が全国40検体の平均値の約2倍だった。現在は高知県産のショウガを使っているが、より栄養素の高い地元野菜に着目し、11月の収穫に合わせて製造を始める。
 三島市では昔から種ショウガを栽培し、全国有数の葉ショウガの産地として知られる静岡市駿河区久能地区に出荷してきた。近年は単価が下がった影響などで生産量は減少傾向にあるという。種ショウガ自体を食べたり、原料にしたりする習慣はなかったが、生産者の前島弘和さんは「原料としての価値があるならば増産も検討したい」と話す。
 同店の製品は砂糖の量を抑え、添加物が少ないのが特徴。新たなシロップは、従来よりも粘り気があり香りが強いという。製造は障害者就労継続支援B型事業所「みんなのわが家」が担い、商品化には市の農商工連携の補助金を活用した。菊川代表は「三島産の品質の高さを市民も知らない。この機会にぜひ知ってもらいたい」と話す。
 (三島支局・岡田拓也)

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