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テーマ : 新商品・新技術

2度の台風で浸水―規格外の柿をプリンに 磐田・柳沢農園 菓子店とタッグ

 昨年9月と今年6月の台風による豪雨で、浸水被害に見舞われた磐田市敷地の柿農家が、老舗菓子店「玉華堂」(磐田市)と連携し、形が悪くて出荷できなかった敷地産の柿でプリンを完成させた。2度の水害を乗り越え、商品化に挑んだのは「柳沢農園」の柳沢重博さん(62)。「復活した敷地の柿を食べてほしい」と意気込み、24日から27日の期間限定で発売されるプリンをPRしている。

農園で作業をする柳沢さん=磐田市敷地
農園で作業をする柳沢さん=磐田市敷地
24日から期間限定で発売される柿プリン(提供写真)
24日から期間限定で発売される柿プリン(提供写真)
農園で作業をする柳沢さん=磐田市敷地
24日から期間限定で発売される柿プリン(提供写真)


 玉華堂の人気商品「極ぷりん」をベースに、柿の実がゴロゴロと入ったオレンジ色のジュレをのせた。傷があったり、形が悪かったりして従来は捨てられていた規格外の柿を使うことで、SDGs(持続可能な開発目標)にも寄与する。
 柿の木約千本を管理する「柳沢農園」は昨年9月、台風15号による大雨で、付近の敷地川が決壊して土砂が流れ込んだ。「30センチほどの高さまで浸水し、根っこ部分が酸欠状態だった」と柳沢さん。当初は重機が入ることができず撤去作業が難航。作業道造りのため、育てていた柿の木を伐採して復旧作業を実施した。ボランティアの協力で、約2カ月後に収穫にこぎつけたものの、例年より出荷量が2割減少したという。
 今年6月には、台風2号による豪雨で敷地川が再び決壊し、2度目の浸水被害を受けた。さらに、温暖化に伴う異常気象の影響で栽培管理に苦慮した。
 そんな中、知人を介して玉華堂の鈴木順也専務取締役(48)と出会い、プロジェクトが始動した。鈴木専務取締役は「復旧作業中だったこともあり、どのような状態の柿なのか正直、不安だった。食べてみると味や品質は変わらずおいしかった」と振り返る。
 柳沢さんは「高齢化で敷地は柿園の後継者がいないのが現状。(プロジェクトを機に)敷地産の柿を市内外に知ってもらいたい」とし、地域経済活性化にも貢献したい考えだ。鈴木専務取締役は「柿そのものの味を生かして作った。シャキシャキとした食感を楽しんでもらえるはず」と自信を示した。
 柿プリンは300個限定で、無くなり次第終了。1個460円(税込み)。玉華堂の直営5店舗で販売する。
 (磐田支局・崎山美穂)

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