
17日間の参議院選挙は、7月19日の1日を残すのみとなりました。事実上の「政権選択選挙」とされる今回の選挙戦。候補者たちは、静岡県内各地の街頭に立ち、ラストスパートに向け、懸命に支持を訴えています。
<自民・現 牧野京夫候補>
「この厳しい選挙が、新しい自民党をつくっていく、そして、新しい日本をつくっていく」
7月18日朝、JR浜松駅前で演説した自民党の現職・牧野京夫候補。「厳しい状況に陥っている」と強調し、支援を呼びかけました。静岡の混戦状況を受け、14日の自民党県連の会合には、急遽、党本部の木原誠二選対委員長が駆けつけました。
<自民党県連 井林辰憲会長>
「まだ内部が固まりきっていないという危機意識の中で、きちんともう一度、選対委員長からお願いする。非常に強い危機感を党本部も静岡県の情勢に持っています」
18日は、西部を中心に回り、組織票固めを図ります。
<牧野候補>
「きょうとあす2日間しかありませんので、精一杯、最後までがんばっていきたい」
国民民主党の現職・榛葉賀津也候補の姿は7月18日、山梨県にありました。党の幹事長として、激戦区の候補を応援するため、最終日の19日も全国行脚を続ける予定です。
<国民・現 榛葉賀津也候補>
「静岡県連の仲間や有志の皆さんが連日守ってくれているので(県内は)しっかり任せて。1人区、ここをしっかり勝たせたいと思います。ありがとうございました。静岡のみなさーん」
地元の静岡県掛川市で行われた演説会では、会場に入りきらないほどの支援者が集まりました。
<榛葉候補>
「私は誰かをやっつけるとか政権交代じゃなくて、この国の古い凝り固まった制度や税制、レジームを変えたいんです。右でも左でもなく、保守でも革新でもなく、我々は前へ上へ進んでいく」
<共産・新 鈴木千佳候補>
「消費税を5%にすれば、5%還元セールが毎日行われることになるじゃありませんか。皆さん、そうすればお買い物をするのに気持ちがちょっと楽になるんじゃないでしょうか」
7月17日、JR藤枝駅前で街頭演説を行った共産党の新人・鈴木千佳候補。強く訴えたのは、あの話題でした。
<鈴木候補>
「人間にファーストもセカンドもありません。日本共産党はあらゆる差別を許しません」
共産党は、外国人政策について、入管法の抜本的改正など、外国人労働者の生活と権利の向上を掲げています。
<鈴木候補>
「大変な思いをしている外国人もたくさんいる中で、誰もが人権を守られる社会に日本を変えていくことが大事だと思います。あなたの近くに鈴木千佳ということで最後まで訴えぬきます」
<参政・新 松下友樹候補>
「我々にすごく注目集まっているし、めちゃくちゃ支持受けているし、我々は通してもらったら全力で戦いますから国会で」
参政党の新人・松下友樹候補。党の勢いが増すなか、7月18日午後、神谷宗幣代表が応援に駆け付けました。
<参政党 神谷宗幣代表>
「目の前の目標は20議席。とにかく法案を出せるようにして国会で戦い、皆さんが投票に行って政治に参加したら日本が変わるかもしれないという成功体験を見せたい」
会場に集まったのは、約1300人。日本人ファーストの政治を取り戻すと意気込みます。
<松下候補>
「浮動票が私たちのようなところに集まったとすると。今の政治が間違っていたと反省する義理は出てくる。そういう流れをつくるのも1つの仕事かな」
5人の子どもを育てる諸派「NHK党」の新人、福原志瑠美候補。公示日の“第一声”以来、2回目の街頭活動を行いました。有権者の前に立つときもSNSの発信は忘れません。
<諸派・新 福原志瑠美候補>
「いよいよ選挙戦盛り上がってきたわけなんですけれども。いろいろやりたいことはありますよ。公教育も子どもたちに、戦後ですね…」
子育てと会社経営で選挙活動の時間が限られる中、インターネット配信を主戦場にしています。
<諸派・新 山口香苗候補>
「いってらっしゃい!」
助産師の仕事の合間をぬって街頭演説を続けてきた諸派「無所属連合」の新人、山口香苗候補です。
<山口候補>
「子どもたちがどんな夢をもっても『いいよ、やってみな~、絶対できるよ』って、“ドリームキラー”が生まれないようにするためには、この国の仕組みが変わることが大事」
減税や物価高対策などが争点となるなか、全ての人が暮らしやすい国にしていきたいと繰り返し訴えてきました。
<山口候補>
「政治の世界にみんなで関心を持とう、政治の世界に私たちが何を大事にしているのか伝えよう」
静岡選挙区にはこのほか、無所属の新人・村上猛候補が立候補しています。政権の命運を左右するとされる注目の参議院選挙。有権者の審判は、7月20日に下されます。
<LIVEしずおか 杉本真子キャスター>
いよいよ投開票が7月20日に迫りましたが、最新の情勢はどうなっているのでしょうか。
<SBS選挙デスク 植田麻瑚記者>
JNNが行った調査に取材を加味して、終盤の情勢を分析しました。現在、国民民主党の現職・榛葉候補が幅広い層からの支持を集めて安定した戦いを見せ、優位に立っています。榛葉候補に続くのが、自民党の現職・牧野候補ですが、終盤に来て、参政党の新人・松下候補が猛追していることがわかりました。SNSを通じて参政党の認知度が急激に高まったことなどが要因とみられます。
共産党の新人・鈴木候補は、共産党の支持層は固めているものの伸び悩んでいます。諸派の福原候補、山口候補、無所属の村上候補は厳しい戦いとなっています。
全国の情勢を見ると自民・公明はいずれも議席を減らし、過半数を割り込む可能性も出てきています。静岡選挙区の有権者がどのような審判を下すのか、注目です。