
政権選択選挙とされる参議院選挙が7月3日、公示され17日間の選挙戦がスタートしました。静岡選挙区はどのような戦いの構図となるのか、植田記者とお伝えします。
<選挙デスク 植田麻瑚記者>
静岡選挙区に立候補したのはこちらの7人です。届け出順に、国民民主党の現職・榛葉賀津也さん、無所属の新人・村上猛さん、諸派の新人・福原志瑠美さん、参政党の新人・松下友樹さん、共産党の新人・鈴木千佳さん、自民党の現職・牧野京夫さん、諸派の新人・山口香苗さんです。
与野党の現職2人に新人5人が争う選挙戦となり、初日から、熱を帯びています。
7月3日朝、静岡市の事務所で神事を行った自民党の現職・牧野京夫さんです。
<自民・現 牧野京夫候補>
「17日間という長い期間ですので、1人でも多くの県民の皆さんとお話ができればいいなと思います」
<自民党県連 井林辰憲会長>
「牧野京夫1位。それ以外ありません」
4期目を目指し、掲げるのは「良識勝負」です。
<牧野候補>
「関税の決着がついた上で、緩やかな円高に誘導していく。これが物価の上昇を抑制する私は1番の方法だと思っております。これからの30年、どういう形が一番いいのか、本音を出して真剣に話し合って結論を出していかないといけない」
出陣式では、物価高対策や経済政策などを訴えました。国会議員などが集まる中、応援に駆け付けたのは…
<牧野候補>
「久しぶり~!」
1歳5か月になる初孫の登場に、笑みがこぼれます。
<牧野候補>
「本当に厳しい風が吹いていると思うし。家族も応援してくれているから、励みにして頑張っていきたいと思います」
午後には、浜松市で西部出陣式を開きました。参院選を自民党の反転攻勢の第一歩と位置付け選挙戦に挑みます。
<国民・現 榛葉賀津也候補>
「国民民主党幹事長、榛葉賀津也の第一声はここ大阪でやります」
国民民主党の現職・榛葉賀津也さんは、候補者でありながら党の幹事長として応援で全国各地をまわるという異例の選挙戦に臨みます。
<榛葉候補>
「1回こっきりの2万円もらったって、その場過ぎれば終わり。この国の成長戦略、日本を強くする政策がない政府与党が、苦肉の策でバラマキだよ」
自民党などが公約に掲げる「現金給付」を痛烈に批判し、物価高対策としてガソリンの暫定税率廃止や消費税の引き下げなど、「減税」の実現を強く訴えました。今回の参院選を「日本の未来にとって重要な選挙」だと位置づけています。
<榛葉候補>
「衆議院で与党が過半数割れしている以上、この参議院選挙が実質“政権選択選挙”になるね」
Q.この後はどちらに?
<榛葉候補>
「神戸です」
静岡県内入りできたのは午後4時すぎ。やっと候補者としての活動がスタートです。
<榛葉候補>
「気合入るね。候補者になれたよ」
数少ない県内での活動。タスキを掛けた榛葉候補は静岡市内へと向かいました。
<共産・新 鈴木千佳候補>
「大企業や富裕層だけを優遇するような、この政治に厳しい審判を下して、与党と、それを応援するような野党も少数に追い込んで政治を変えていきましょう」
国政選挙5度目の挑戦となる共産党の新人・鈴木千佳さんは、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指します。消費税を一律5%に引き下げるほか大企業や富裕層の行き過ぎた減税を改めると話します。
<鈴木候補>
「誰でも減税、なんでも減税、ずっと減税、この声を一緒に広げようではありませんか」
7月3日は静岡市内の6か所を周り、選択的夫婦別姓の導入や、リニア建設と浜岡原発再稼働への反対を主に訴えました。今回の選挙では、SNSでの発信にも力を入れます。
<鈴木候補>
「Xだと(公式に)認証されているとライブ配信がツイキャスみたいに一方的な配信ができるので、挑戦しようかなと思っています」
昼休みなどの空いた時間に、自らSNSを投稿。若年層への支持拡大を目指します。
<鈴木候補>
「暮らし第一で、政治を変えていくために頑張りたい」
<参政・新 松下友樹候補>
「私たち日本人の健康が失われていませんか。私たち日本人の富が流出していませんか。これをちゃんと皆さまに伝える人間が必要なんですよ」
参政党の新人・松下友樹さん。形成外科を専門とする現役の医師です。年間で50兆円に迫る医療費を抑制するため、過剰医療からの脱却が必要だとして、抜本的な改革を行うと意気込みます。
<松下候補>
「ありがとうございます」
参政党をめぐっては、6月に行われた都議選で3議席を獲得。松下さんも追い風を感じているといいます。
<松下候補>
Q.家族の反応は?
「ちょっとその気になってきていますね。通ったらどうするのみたいな、そんな話は一切なかったんですけど前は。もしかしたら…現実味を帯びてきたらどうしましょうかね」
演説では、参政党が掲げる「日本人ファースト」というフレーズを繰り返し、国民を最優先に考えた長期的な経済政策や税の在り方が必要だと訴えています。
<松下候補>
「7月20日までに、さらに(支持率が)2倍3倍は無理ではないと思いますので。さらに飛躍できるように頑張ろうと思っています」
<諸派・新 福原志瑠美候補>
「今、子育てをしている現役世代の人が声を上げなければ、国、子育てに対する政策、生の声を訴えていけないと思ったからです」
諸派・NHK党の新人、福原志瑠美さんは5人の子どもを育てる母親として、育児のサポート制度の充実や父親の育休100%取得などを政策に掲げています。
<福原候補>
「実際に私がリアルで悩んで苦しんできたことをサポートするような政策を訴えていきたいと思っております」
ユーチューブ配信など、インターネットを活用した選挙活動を展開していくということです。
諸派「無所属連合」の新人・山口香苗さん。第一声直前、毎朝のルーティンだという太極拳で気持ちを整えます。
<諸派・新 山口香苗候補>
「私が私であること、そして助産師として、ずっと大事にしてきたことを場所は変わっても、国の政治の形になってもやり続けるということが私の1番の目標であります」
国政挑戦へのきっかけとなったのは、24年間助産師として働いてきた経験です。母子手帳の改革をはじめ、母親や子どもの支援を訴えます。
<山口候補>
「子どもたちをいとおしく思う心がこの国全体に広がっていくといいなと思います」
<無所属・新 村上猛候補>
「リニアがまだ工事をしているということに関してすごく疑問があります。リニアに関しては、トンネル工事ができなければ事業が成立しないことが分かっているのに、なぜそんなことをするのかということをもっと強く訴えていった方がいいと思って立候補しました」
無所属の新人、村上猛さんは、2024年の知事選にも出馬した静岡市に住むアパート経営者で、主に、リニア建設の中止を訴えています。街頭での演説やSNSでの発信はせず、活動は、政見放送のみだということです。