静岡選挙区の候補者の動きをどう見たのか…法政大学大学院・白鳥教授の視点 参議院選挙2025【選挙の日、そのまえに。】

参議院選挙が7月3日公示され、2つの議席を争う静岡選挙区には7人が立候補しました。静岡県内の政治に詳しい、法政大学大学院の白鳥浩教授に、選挙戦初日の候補者の動きを見た印象を聞きました。

<LIVEしずおか 松下晴輝キャスター>
白鳥教授に伺います。始めに自民党の牧野候補です。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
非常に暑い中で第一声をされていたんですが、この参院選の前哨戦になると呼ばれている東京都議会議員選挙で、自民党は過去最低の議席に終わったわけですね。牧野候補は、現職であるにもかかわらず、非常に危機感を持ってらっしゃった。特に7月3日の訴えの中で印象に残ったのは、友党である公明党と一緒にですね。票を掘り起こしていく。そういうような訴えがあったような気がするんですね。

<松下キャスター>
植田記者はどう感じますか。

<参院選デスク 植田麻瑚記者>
牧野候補は、逆風の中で、本来ならば、中央から大物議員の応援を呼びたいところですが現状、予定は入っていないそうです。というのも、党本部は1人区を優先的に回りたい考えがあり、定数2の静岡選挙区は優先順位が低くなっているからです。与党としての組織力が問われそうです。

<松下キャスター>
続いて、国民民主党の榛葉候補です。

<白鳥教授>
候補の得票率っていうのは、比例の得票率と連動する、あるいはその政党のイメージと連動するということがよく言われているわけなんですけれども、確かにこのところ国民民主党の支持率というのは、徐々にピークアウトしているということが言われているわけです。

女性候補の公認取り消しの問題などが影響を与えているという見方があるわけですけれども、一方で東京都議会議員選挙では一つも議席がないところから9議席を躍進した。そういう獲得をしたということはありまして、静岡県内ではどういった戦いになるのかというのが注目になります。

<松下キャスター>
植田記者はどう感じていますか?

<植田記者>
榛葉候補は、党本部で幹事長も務めていることから、県内での活動が限定的です。7月3日を除いて、現状、予定されている活動日は「3日間のみ」。全国レベルの知名度でどこまで票を伸ばせるか、注目です。

<松下キャスター>
続いて、共産党の鈴木候補です。

<白鳥教授>
国政選挙をこれで5回目ということになるんですけれども、共産党の場合は、他の県などでは野党共闘をやっているところもあるんですけれども、静岡県におきましては、国民民主党と連携していないということもありまして、野党共闘が進んでいない状況の中、共産党も候補を立てているということになっています。

これが政権批判票をどのように割って行くのか。場合によっては、比例代表制の当選などにも絡む。そういう選挙になっていくだろうというふうに思います。

<植田記者>
鈴木候補は、リニア建設と浜岡原発再稼働の反対を訴え続けています。鈴木候補自身も、「貫いているのは私しかいない」と自負しています。

<松下キャスター>
次に、参政党の松下候補はいかがでしょうか。

<白鳥教授>
参政党の公認ということなんですけれども、この参政党、このところ非常に注目を集めている政党なんですね。というのは、この間の東京都議会議員選挙で3議席を取り、このところ国会議員が1人入ったことによって5人以上になり、討論番組に先週あたりから随分出ているということになりまして、訴えも日本ファーストということで、ちょっとトランプさんのアメリカファースト思いを起こさせるような、そういう訴えがどこまで響くかというところが注目です。

<植田記者>
松下候補自身も追い風を感じているそうで、現職2人に挑む厳しい選挙だとしつつも選挙にこれまで関心のなかった無党派層への浸透を図れば「無理な選挙ではない」と話し、SNSでも積極的に自身の考えを投稿しています。

<松下キャスター>
諸派の福原候補、山口候補、無所属の村上候補について植田記者、お願いします。

<植田記者>
福原候補と山口候補は仕事をしながらの選挙戦となり、SNSなどを通した独自の選挙戦を展開しています。村上候補は政見放送のみの活動となっています。

<松下キャスター>
17日間の戦いに入った参院選ですが、白鳥教授のテーマはずばり「減税VS給付」ですね。

<白鳥教授>
減税というのはですね。主に野党が訴えている。それに対して与党は給付をやるんだということで、両方とも物価高対策なんですけれども、その方向性が違うということで、国民はどちらを選ぶのか、これが恐らく最大の争点になってくるだろうという風に言うことができます。

<松下キャスター>
そして今回の選挙の争点の一つになっているのが、選択的夫婦別姓の制度の導入について賛否が分かれていますね。

<白鳥教授>
そうですね。この選択的夫婦別姓の問題は、これは国際社会からも言われていますし、日本の産業界、そして連合などの労働界も、この選択的夫婦別姓の実現ということを強く要求しているというところがあります。単に税金、あるいは給付金以外の政策争点というのにも注目していく必要があるんだろうというふうに思います。

<松下キャスター>
事実上の政権選択選挙といえる今回の参院選。これからの政治を考えたとき大きな分岐点ともなりうるのでしょうか。

<白鳥教授>
おっしゃるとおりです。今回の選挙は少数与党の衆院が参院にも拡大するのか。それとも参院はそのまま与党が過半数を取り続けるのかという大きな選択になるわけです。参院選というのは本質的には政権選択というよりは、政策選択の選挙なんですけれども、結果としては政権につながっていく。果たしてどういう結果になるのか注目です。

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