
7月20日に投開票を迎える参議院選挙。選挙のたびに危惧されるのが「若者の投票率の低さ」ですが、実は、選挙に行かないことで約5万5000円損をするという試算があるのです。
7月13日、静岡市内の商業施設では、市の選挙管理委員会が投票を呼びかけるうちわなどを配っていました。今回の参院選の投票日は3連休の中日です。
<静岡市清水区選挙管理委員会事務局 石井克佳主幹>
「3連休ということで、投票当日に来られない方が多く出ることによる投票率の低下を懸念しております」
<30代男性>
「自分の1票で変わるのかどうかわからないですけど、少しでも力になれば日本がいい方向に向かっていくといいな」
<30代男性>
Q.選挙行く?
「最近行ってなかったですね。あんまり関心が無かったからですかね」
そもそも、投票をしないことでデメリットはあるのでしょうか。
<東北大学大学院 経済学研究科 吉田浩教授>
「1%(若者の)投票率が下がると、若者は1年間で5万5238円損をするという計算結果になったわけです」

経済学が専門の吉田教授は、50歳以上を高齢世代、49歳以下を若者世代と分け、過去28回の国政選挙の投票率の変化を分析。高齢世代と若者世代の投票率の差が拡大していることがわかりました。

静岡県内でも、3年前の参院選の年代別の投票率を見てみると、若者世代の投票率の低さが目立ちます。こうした投票の差は、若者世代の損を生むと吉田教授は指摘します。
<吉田教授>
「高齢者の方は、投票所によく来てくれるので、政府にとってお得意様になる。若者は、来たり来なかったりなので、たまにしか来ない一見のお客さん。新しい政策を導入する時は、高齢者の政策を重視して若い人の政策は後回しになる」

若者世代の投票率が1%下がると、子育て手当や医療手当などの社会保障費は高齢世代より1人あたり2万1494円低くなるといいます。さらに…
<吉田教授>
「消費税を上げると若い人も高齢者も困ってしまうわけですが、国債を発行するという時には高齢者の人はあまり関係ない。国債を発行するということは、言葉が悪いですが、若い人にツケ回しをする感じになってしまう」

投票率が1%下がると、1人当たりの国債発行額は年間で3万3744円増えることに。つまり、若者世代が選挙に行かないことで1人あたり計5万5238円損をする計算になるのです。
<吉田教授>
「投票に行かないと、どのくらい経済的な損失が生じているのかをビビットにわかってもらえるのではないか」
参院選の投開票日は、5日後の7月20日です。当日、投票に行けない人は、期日前投票もぜひ活用してください。